東京昭島モリパーク 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都昭島市の再開発エリア全体名称は「昭和の森」。昭島駅近くの現在までに開発された一帯の総称が「モリパーク」。2004年に最初に開業した大型ショッピングモールが「モリタウン」。2015年にオープンしたのが「モリパーク・アウトドアヴィレッジ」です。車椅子からみた施設のバリアフリー状況を紹介します。

モリタウン

〇モリタウンのバリアフリー状況

昭和飛行機工業の社有地が再開発されました。元々は飛行機工場であったエリアです。軍事設備でしたが空襲を免れたエリアで、周辺には戦前からの深い緑が残ります。

駅前立地で屋内型立体駐車場があり、雨の日でも車椅子で利用できるSCです。

核テナントはイトーヨーカドーで、他に約140店舗の専門店が営業しています。道を挟んだエリアには、シネマ、ゲーム、おもちゃ、などが入る大型独立施設があります。施設全般、バリアフリー面で大きな問題はありません。バリアフリートイレは総合計で9カ所あります。

段差がある設計ですが、スロープやエレベーターにより、施設の全域を車椅子で移動できます。建物は立体駐車場、東館、本館、西館と「星の道」と称された飲食店街。道を挟んだ側には大型店が入る独立棟が3棟あります。

立体駐車場は1Fから4F+屋上があり、東館には1Fと3Fが直接連絡します。各フロアに身障者用駐車区画がほぼ2カ所にあり、合計で30台分が設けられています。1Fと3Fに駐車できれば、立体駐車場内のエレベーターを利用しなくてもモリタウン内に移動できます。ただし、1Fから東館の1Fへの横移動は、長めのスロープを利用します。車椅子利用でのベストは立体駐車場3Fの駐車です。

東館、本館利用なら、雨の日でも濡れずに車椅子でお出かけが出来るSCです。西館だと少し濡れます。道を挟んだ側の大型店へは、2Fからペデストリアンデッキで道を渡り、エレベーターでデッキ下に移動できますが、雨の日は濡れます。

立体駐車場の他に、屋外平置き駐車場が3カ所、大型店の屋上駐車場が1カ所あります。好天の日はこれらの駐車場が利用可能です。収用台数は合計で2200台です。東館は専門店街。ここは1Fと2F構造で、屋上は駐車場です。

本館はおおよそ半分が専門店街で、ここは1Fと2F構造。そして本館の半分はイトーヨーカドーで、ここはB1から3Fの構造です。カラオケ店などが入る、独立した西棟は1Fから4F構造です。

以上のように変則的で、慣れないとやや解りにくい構造です。施設を設計した会社によると、「森の中の空港」をイメージして「翼」や「管制塔」がデザインモチーフになっています。

モリパーク・アウトドアヴィレッジ

〇モリパーク・アウトドアヴィレッジのバリアフリー状況

「アウトドアヴィレッジ」は、その名の通りの雰囲気がある商業施設です。新しいだけに「モリタウン」よりも、バリアフリー面は進化しています。バリアフリートイレは2カ所あり、施設内のアウトドア感覚の通路は車椅子で通行できます。各店舗内もバリアフリーで、車椅子での入店は可能です。

昭島駅前から広がる、広大なモリパークの一角です。「アウトドアヴィレッジ」専用の駐車場があり、モリタウンと同様に、最初の1時間は無料で、買い物をすれば合計3時間まで無料という駐車料金設定です。

敷地面積は約21,000㎡。見て廻るだけなら、車椅子で30分あれば全店一周できます。巨大モール的な施設ではなく、雰囲気の良いコンパクトな「アウトドアヴィレッジ」です。ショップは全部で17店舗。内飲食店は物販との兼業店も入れて4店舗。残りはアウトドア系の物販店です。

車椅子で通行できないのは「トレイルレーン」や「トレイルロード」。丸太やウッドチップが敷いてある疑似トレッキングコースで、総全長は200mほどです。あるショップでは、お試し用のトレランシューズを貸し出し、試走できるサービスを提供しています。

目玉施設は高さ16.5mの屋外「クライミングウォール」。角度調整が可能な可動式で、ボルダリングの国際大会が開催できる仕様です。隣接する建物の中にも、高さ5m、横全長は56mもある、屋内「ボルタリングウォール」があります。小学生向けの屋内「クライミングウォール」もあり、無料体験イベントが開催されます。

施設内には小さな池が造られ、有料でカヤック体験が出来ます。中央部に「森の広場」があり、小さなハンモックなど、無料で遊べるアウトドアの道具がいくつも用意されています。また屋内外で実際にテントが張られ、その様子を見ることができます。

東京多摩地区という立地から、奥多摩と連携した企画に力を入れています。HPには奥多摩情報コーナーが充実。奥多摩でアウトドアライフを楽しみたい人のベースキャンプ、これが「アウトドアヴィレッジ」のコンセプトの一つです。したがって 「アウトドアヴィレッジ」は、山でのアウトドアがテーマの施設です。

奥多摩周遊道路の「山のふるさと村」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

「モリタウン」と「モリパーク・アウトドアヴィレッジ」は、車椅子で利用できるバリアフリーな商業施設です。

(本稿は2016年7月の取材に基づいています)

フランスベッド東京工場内「家具の博物館」車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都昭島市の「家具の博物館」は、車椅子で観覧できる博物館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

フランスベッド東京工場内にある広さ80坪ほどの博物館です。テーマは「家具の伝統―継承―創造」。コレクションは古今東西の家具1,800点。その中から180点ほどが常設展示されています。有料の博物館で、観覧料の障がい者減免制度はありません。

アクセスは車が便利です。車で工場内に進みます。工場敷地入口に守衛所があるので「博物館へ」と一声かけてください。博物館は工場入口の近くです。無料駐車場があります。

駐車場から博物館まではフラットな舗装路面を移動します。博物館の出入口は手動ドアです。博物館は1Fのワンフロア、車椅子での利用に大きな問題はありません。博物館に入るとすぐに受付があるので、入館料を支払います。

ミニ博物館ですから通路幅はそれほど余裕がありません。80坪の館内をぐるぐる廻る動線です。今回訪問時は空いていたので、車椅子での移動に問題はありませんでした。

西洋クラシック家具、明治時代の箪笥、火鉢や鏡台などの和家具、世界の椅子など、実際に使われた家具が並びます。展示の解説は充実しています。しっかり読みながら廻ると、観覧にそれなりの時間がかかる博物館です。

そのなかで異彩を放つのは「菊地コレクション」。菊地氏が多年にわたり自分で製作した、世界の椅子の1/5ミニチュアです。個人の仕事とは思えません。西洋の椅子の歴史が概観できるコレクションです。

実際に使われた家具を見ると、その時代、その場所での人々の生活が連想されます。18世紀のロンドンでのお茶、大正時代の嫁入り、昭和初期のちゃぶ台での食事。家具を通じて文化を知る博物館です。

「家具の博物館」は車椅子で利用できるミニ博物館です。

家具の村内ファニチャー八王子本店内にある「村内美術館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年1月の取材に基づいています)