栃木県日光市足尾町に2025年に開業した「足尾銅山記念館」は、明治44年に竣工した「足尾鉱業所」を往時の場所に復元した新築施設です。新しいだけに内部はバリアフリー仕様。予約制の有料施設ですが観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。車椅子での利用上のポイントは、駐車場と段差迂回スロープです。
来館者用駐車場は少し離れた場所にあり、目立つサインはありません。足尾銅山記念館を正面から見て左側へ約200m進んだ場所で、徒歩約3分と案内されています。身障者用駐車スペースも含めて、足尾銅山記念館敷地内に駐車スペースはありません。
足尾銅山記念館に隣接して、現在でも古河グループの施設として利用されている「古河掛水倶楽部」があり、特定日に有料で公開されています。「古河掛水倶楽部は、足尾銅山の隆盛期に貴賓客の接待や宿泊施設として利用されていた迎賓館」。2006年に国の登録有形文化財として登録されました。ただしバリアフリーではないので、車椅子で見学できる範囲は限られます。
正面入口から足尾銅山記念館敷地内に入ります。路面はフラットな舗装路面です。足尾銅山記念館のエントランスは階段路。車椅子用の段差迂回スロープは、建物を正面からみて右側にあります。建物の右側面を目指して進んで下さい。段差迂回スロープを上がった先に手動ドアがあり、自分で開閉して入館します。そして1F受付に進みます。
トイレは1Fにあります。バリアフリートイレは一般的なサイズの個室で、ウォームレット付き便器、オストメイト装置、小型のユニバーサルベッドが備えられています。
足尾銅山記念館は2フロア構造の施設。展示室は1Fに2室、2Fに6室あります。観覧順は2Fから。エレベーターで2Fに上がり観覧します。
1F・2Fともフラットでスペースに余裕がある展示室です。映像を鑑賞する展示もありますが、いずれも車椅子で観覧できます。
ジオラマ展示は車椅子では横から見る高さですが、見えないことはありません。
平面な台上の展示はやや低い位置にあり、一般的な車椅子の高さからなら観覧できます。
足尾銅山記念館は、駐車場と段差迂回スロープの場所が分かれば、問題なく車椅子で利用できるバリアフリー施設です。
(本稿は2025年9月に執筆しました)