都市公園におけるバリアフリー化をより一層推進するために、「都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン」が改定され、2022年3月29日に公表されました。
改定された主な内容を抜粋して紹介します。
○バリア情報やトイレ設備詳細情報の提供
車椅子で通行困難な園路、階段や急な坂道などのバリア情報、トイレのオストメイト用設備については、汚物流し・簡易型のいずれが設置されているかまで、ウエッブサイトで写真や地図を用いてわかりやすく情報提供を行う。
○トイレの名称をバリアフリートイレに改称
「多機能便房」から「高齢者障害者等用便房」」に変更して利用対象者を明確化し、一般的な呼称は「多目的トイレ」から「バリアフリートイレ」に改称する。
○乳幼児用設備を男性トイレにも設置
都市公園において需要が高い乳幼児用設備はバリアフリートイレ以外にも設けることとし、男女別トイレそれぞれに設置する。
○ユニバーサルベッドの導入
バリアフリートイレにおけるおむつ替え用の大型ベッドの設置を「望ましい整備内容」に位置付ける。
○トイレ全体のレベルアップ
従来のガイドラインは一般トイレに関する記述が十分ではなく、一般トイレのレベルが低いことがバリアフリートイレの利用者が増える要因になっている。高齢者や障がい者を含む全ての人に対する利便性向上の観点から、便所全般の基準を引き上げる。また異性の介助者との利用などを想定した男女共用のバリアフリートイレの設置を推奨する。
○車止めの形状の見直し
公園の出入口に設置される車止めが、車椅子通行の妨げになっているケースがある。有効幅については車止めの最上部まで90cm以上を確保したものとする。また車止めを複数列配置する場合は、車椅子使用者が円滑に通行できるような配置とする。避難場所になっている公園に車止めを設置する場合は、可動式のものを設置することが望ましい。
○駐車施設の構造と設備の見直し
駐車区画の奥行きは車椅子用リフト付福祉車両の駐車や乗降にも配慮することが望ましい。
雨天時のために車椅子使用者の乗降に必要なスペースは屋根を設けることが望ましい。
屋根を設ける場合には、大型の車椅子用リフト付き福祉車両の高さ(230cm以上)を確保する。
○野外劇場、野外音楽堂のバリアフリー化
車椅子使用者用観覧スペースは、少なくとも3以上設ける。小規模な施設でも少なくとも同時に2以上の専用スペースとして固定位置に確保する。
車椅子使用者用観覧スペースが高い位置にある場合には、床の端部に脱輪防止用の立ち上がりを設ける。
車椅子使用者の同伴者席は、車椅子使用者用観覧スペースに隣接して設ける。
○ベンチとテーブルのバリアフリー化
車椅子のまま席に着けるように野外卓下部にスペースを確保することが望ましい。
ベンチ、野外卓の下と前面は、平坦で固くしまっていて滑りにくい仕上げとすることが望ましい。
今後公園は、より一層のバリアフリー化がすすみます。
《生きるちから舎ニュース 2022年3月30日付》