茨城県常総市の「豊田城」は、地域の歴史と民俗を紹介する展示室や展望室がある公共施設です。車椅子での利用には注意すべき点があります。現地のバリアフリー情報を紹介します。
豊田城の概要です。高さ48.5mの天守閣がある7階構造の施設です。
1Fはホールとロビー。2Fはホールと図書室。3F、4F、6Fが常設展示室。5Fはフリースペース。7Fが展望室になっています。
中世にこの地を豊田氏が治めていた史実はありますが、その居城は別の場所で天守閣はありません。豊田城はバブル期に企画され、旧石下町が22億円を投じて1992年に竣工しました。
2015年秋の豪雨で鬼怒川が氾濫した時には、市民千人の避難場所になり、一般公開は中止。一部リニューアルをして2017年4月から再公開されています。
アクセスは車です。20台ほど収容する無料駐車場があります。身障者用駐車区画はありません。また豊田城内にはバリアフリートイレはありません。駐車場脇の公衆トイレにバリアフリートイレがあります。
駐車場からお城入口へ向かいます。そこに建つ銅像は、地元の出身の長塚節です。
その横を通り緩やかなスロープ路を上ります。この間約50mで屋根はありません。
豊田城の入口にドアが2枚あります。1枚目は自動ドアで2枚目が手動ドアです。車椅子では苦戦するタイプの手動ドアなので、介助者がいると助かります。
3Fから7Fは有料施設ですが、2017年の再公開以来、期間限定の無料公開が継続しています。現時点で、2022年3月末までは無料公開です。
上下階の移動は1基のエレベーターを利用します。7Fが展望室なのですが、エレベーターは6Fまで。そこから階段で7F展望室へ上る構造なので、車椅子では7F展望室には行けません。
5Fは企画展のフロアでしたが、2017年の改装で飲食OKのフリースペースに変わりました。車椅子での利用は可能です。
地域の歴史や民俗を紹介する展示室の状況です。
3Fが「いしげの歴史」、4Fは「いしげの産業」の展示。竪穴式住居や土器などから始まる、アナログで古典的な民族資料の展示です。
そして6Fが「長塚節デジタルミュージアム」。壁面にプロジェクションマッピンが写る展示です。2017年の改装で誕生しました。
3F、4Fそして6Fの展示室内は、フラットな構造で車椅子での展示見学は可能です。
R294を走ると見える天守閣「豊田城」は、現時点では無料公開が続く、旧石下町の民俗資料館のような施設です。
常総市の農産物直売所「産直市場元気村」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年8月に加筆修正しました)