栃木県立美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

栃木県立美術館

栃木県宇都宮市にある美術館です。開館は1972年。その後1981年に、現在の常設展示室が増築されました。公立美術館としては先駆的な、昭和に建設された建物です。そのため基本設計はバリアフリーではなく、各所が改修されています。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

栃木県立美術館

宇都宮駅からは距離があるのでバスの利用が推奨されています。

来館者用の無料駐車場が4ヵ所あり、合計80台を収容すると案内されています。身障者用駐車スペースは、常設展示室入口の近くに2台分用意されています。場所が分かり難いので、大きな屋外アートが目印。駐車区画のラインペイントは、かなり経年劣化しています。

栃木県立美術館

美術館への主な出入口は、企画展示室へ行く「正面入口」と「常設展示室入口」の2ヵ所。「正面入口」が自動ドア、「常設展示室入口」は手動ドアです。

企画展が開催されている期間であれば、「正面入口」から入館して企画展を観覧し、次に常設展示を観覧して、「常設展示室入口」から退館するのが一般的なルートです。

このルート場合は、身障者用駐車スペースから「屋外展示場」に沿った緩い傾斜のスロープ路を上がり、「正面入口」に向かいます。

栃木県立美術館

入口手前に階段がありますが、段差回避スロープが設置されています。「正面入口」は感覚的には2Fに思えますが、構造的には1Fです。

栃木県立美術館

「正面入口」から館内に入ると、正面に受付があります。栃木県立美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して、無料鑑賞券を発券していただきます。

栃木県立美術館

「正面入口」の下にB1があり、カフェとミュージアムショップ、集会室などがあります。またB1にはバリアフリートイレがあります。

受付の横のスペースにエレベーターがあるので、車椅子でB1へ移動できます。B1 は無料エリアです。

企画展示室のバリアフリー状況です。受付からそのまま進むと、すぐに企画展示室に入ります。企画展示室内は、元々は階段構造でしたが、改修されてスロープになっている箇所が2ヵ所あります。したがって構造的にはワンフロアの企画展示室ですが、感覚的にはスロープを下りながら、B1へ下りる印象を受けます。スロープはありますが、段差はないので、企画展示室内は車椅子で全エリア移動可能です。

企画展示室内から、ミュージアムショップに下りる階段があります。ここにはエレベーターはなく、車椅子用の昇降機が設置されています。昇降機の利用を避けてB1のミュージアムショップに車椅子で下りたい場合は、「正面入口」横のエレベーターまで戻ります。

常設展示室のバリアフリー状況です。企画展示室を出ると、すぐに常設展示室の入口があります。そこに常設展の受付があるので、観覧券を提示します。

常設展示室は1Fと2Fの2フロア構造で、入口は1Fになります。常設展示室内にエレベーターが1基あるので、車椅子で上下階移動できます。出口は1Fです。

したがって観覧ルートに決まりはありませんが、1Fを観覧してエレベーターで2Fへ上がり、2Fを観覧してエレベーターで1Fへ戻り、「常設展示室入口」から退館するのが一般的なルートです。

2Fには寄贈されたコレクションが展示される「マイセン磁器展示室」があります。常設展示室は両フロアともに、車椅子で鑑賞できるフラットな構造です。内部に段差やスロープはありません。

常設展示室内のバリアフリートイレは、1Fに1つ用意されています。

栃木県立美術館

屋外展示場のバリアフリー状況です。常設展示室は1Fから、手動ドアを開けて屋外展示場へ出ることができます。

栃木県立美術館

屋外展示場内は、車椅子で移動できる舗装路面です。

栃木県立美術館

昭和のデザイン建築物なので、元々の設計は段差のある構造です。また出入口に手動ドアが残っています。ただし決定的な段差は改修されているので、栃木県立美術館は車椅子で利用できます。

(本稿は2020年11月に執筆しました)

関東6県の県立美術館を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。