障がいのある家族に、咀嚼や嚥下に問題がある場合、飲み物や食べ物に併せて、気管への誤嚥を防止するのが「とろみ剤」です。有効で優れた機能があり、年々進化しています。
近年は「第三世代とろみ剤」と呼ばれるタイプが主流で、メーカー各社が様々な商品を開発して販売しています。
誤嚥防止介護のベテランになると、好みの「とろみ剤」ブランドが決まっていて、ネット通販などで大量買いをする人が多いようです。
ブランドによって、使用する量、出来上がりの見栄え、食感などが違います。料理を作る人、食べる人、それぞれの好みで「とろみ剤」のベストブランドが決まります。
医薬品ではありませんが、誤嚥防止のための医療的な目的のために使用するものなので、取扱説明書をよく読んで、正しい量を使用します。
牛乳と水など素材によっても使用量が変わります。温度によっても使用量が変わります。適正なとろみになる時間もそれぞれです。どの「とろみ剤」を買っても、適正な量や時間が説明書に書いてあるので、なるべくそれに準拠した使用をします。
いろいろなケースがあるので、一概には言えませんが、よくあるパターンの注意事項を紹介します。
牛乳はとろみがつくのに時間がかかり、「とろみ剤」がダマになり易い性質があります。ゆっくりかき混ぜながら、少しずつ「とろみ剤」を入れるといいようです。
味噌汁や吸い物は、具を入れてから「とろみ剤」を入れると、悲惨なことになる場合があります。お汁はそれだけでとろみをつけて、具材もとろみをつける必要があれば別々にとろみをつけた方が、上手に調理出来るケースが多いようです。
ミキサーを使用して調理をする場合は、とろみ方を調整するのに、より繊細な技術が求められます。基本は少なめに入れて、ミキサーを使って、足りなかったら「とろみ剤」を加えてまた調整する、という方法が慣れない間は無難なようです。
嚥下障がいのある家族に、安全になるべく美味しく食べてもらいたい。「とろみ剤」は障がいのある家族との日常生活で利用されています。
(本稿は2019年11月に執筆しました)