パナソニック汐留美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都港区の「パナソニック汐留美術館」は車椅子で利用できる施設ですが、注意すべきポイントがあります。知っていると役に立つバリアフリー情報をお届けします。

汐留のビル街は段差と回転扉が多い設計です。車椅子でパナソニック汐留美術館へアクセスする注意ポイントは、回転扉、手動ドアを避け、エレベーターを効率よく利用する点にあります。パナソニック汐留美術館は、パナソニック東京汐留ビルの4Fにあります。

汐留は回転扉の街

中央通りからなど地上からアクセスする場合は、パナソニック東京汐留ビルの「正面入口」を利用します。「美術館入口」の案内に従うと「回転扉」の入口に誘導されます。「正面入口」から入館し、左手のエレベーターを利用して4Fへ上ります。

1Fからアクセスする場合のバリアフリールート

地下鉄駅から連絡する地下フロアはB2になります。B2フロアからパナソニック東京汐留ビルB2の「パナソニック・リビングショールーム」に入ります。ショールーム内を進み、パナソニック東京汐留ビルB2駐車場へつながる出口からショールームを出て、エレベーターを利用して4Fへ上ります。

B2の「パナソニック・リビングショールーム」が閉館で内に入れない時は、ショールーム入口の左にある駐車場入口のドアからパナソニック東京汐留ビルB2に入ります。このドアは車椅子利用者は開けにくいタイプの手動ドアです。介助の人がいると助かります。駐車場内を進むと、前出のエレベーターまでフラットに移動できます。

パナソニック東京汐留ビルが閉館している時のバリアフリールートです。お盆の時期など、美術館は開館しているが、パナソニック東京汐留ビルは閉館していることがあります。このケースでは、エレベーターは1Fと4F間で運行し、B2フロアは閉鎖されます。

B2からアクセスした場合は、隣の「汐留シティセンター」のB2に入り、エレベーターで1Fへ上ります。「汐留シティセンター」の1Fから屋外に出るドアは、車椅子では通行できない回転扉です。一か所だけ普通の横開き自動ドアが併設されているドアがあります。ドアの横にあるインターフォンでビル管理センターに連絡し「車椅子利用」を告げると、遠隔操作で自動ドアを開けてもらえます。屋外から館内へ入る場合も同様に、インターフォンでの連絡が必要です。

車でアクセスする場合、もっとも便利な駐車場は「タイムズ汐留シティセンター」です。自走式の有料駐車場で、時間貸しエリアの案内に従いB2フロアに下ります。身障者用駐車区画に、一般的な「車椅子マーク」は掲示されていません。とても分かり難いのですが、パナソニック東京汐留ビルB2入口前のスペースが、身障者用駐車区画になっています。入口から館内に入るとすぐにエレベーターがあり、美術館のある4Fへ上ることができます。美術館の利用による駐車料金の減免サービスはありません。

パナソニック汐留美術館がある、パナソニック東京汐留ビル4Fのトイレは、一般トイレだけでバリアフリートイレはありません。B2、B1の「パナソニック・リビングショールーム」にはバリアフリートイレがあります。また「汐留シティセンター」など近隣の商業ビルにもバリアフリートイレが用意されています。

美術館フロアのバリアフリー状況

バリアフリートイレはありませんが、パナソニック東京汐留ビル4Fフロア内に段差はなく、車椅子での移動に問題はありません。

美術館の入口、出口が手動ドアです。通常、美術館のスタッフが近くにいるので、ドアの開閉は助けていただけるはずです。

美術館フロアのバリアフリー状況

パナソニック汐留美術館の展示室は、ワンフロアのフラットな構造です。今回の取材時は「マイセン動物園展」が開催中。すべての展示が車椅子から問題なく鑑賞できました。

マイセン動物園展

パナソニック汐留美術館には常設展はなく、年に4本ほど企画展が開催されます。企画展の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。

企画展の障害者減免制度

パナソニック汐留美術館への車椅子でのアクセスは、段差と回転扉を避けたルートを選択してください。また美術館フロアにはバリアフリートイレがありません。以上の2点に気をつければ、パナソニック汐留美術館は車椅子で利用できます。

カレッタ汐留内にある「アドミュージアム東京」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)

砧公園内 世田谷美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区砧公園内にある「世田谷美術館」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

世田谷美術館

砧公園はバードサンクチュアリもある、緑あふれる広い公園です。園内の舗装された散策路は車椅子で通行可能です。

砧公園はバードサンクチュアリもある、緑あふれる広い公園

世田谷美術館は公園の一角にあります。1986年に開館した洒落たデザインの建物です。美術館はB1から2Fの構造で、主に1Fで企画展、2Fでコレクション展が開催されます。また1Fにはレストラン、B1にはカフェがあり、窓からの眺めを楽しみながら食事やお茶を楽しめます。

世田谷美術館は公園の一角にあります

徒歩圏内に駅はありません。車椅子利用者は車でのアクセスが便利です。駐車場は3つあります。

世田谷美術館に近い場所に「砧公園の有料駐車場」があります。都立の駐車場なので障害者手帳の提示で駐車料金が無料に減免されます。身障者用駐車区画は3台分用意されます。人気の公園なので、好天の週末は満車になる可能性がある駐車場です。美術館だけではなく、公園を利用する場合は、原則この駐車場を利用します。

別に60台収容する「美術館来館者専用の無料駐車場」があります。場所は東名高速の高架下で、一方通行などがあり、ややわかりにくいアクセスルートを通ります。美術館のHPに詳しいルート案内があります。美術館まではやや距離があり、徒歩5分の案内です。

2か所の一般駐車場の状況

そして美術館敷地内に「身障者専用の無料駐車区画」が2台分用意されています。利用は事前予約制です。美術館に電話をして予約します。

身体障害者専用の無料駐車区画

駐車場は美術館通用口から入るとすぐにあります。アクセスルートは環八通りから清掃工場へ向かい、その先左側です。スタッフの誘導に従って駐車してください。

身体障害者専用駐車場

3つの駐車場から美術館への車椅子でのアクセスは、フラットな舗装路を移動するので、大きな問題はありません。

駐車場から美術館への車椅子でのアクセスは、フラットな舗装路

美術館エントランス付近も車椅子で問題なく利用できるバリアフリー仕様です。

美術館エントランス付近も

「身障者専用の無料駐車区画」からアクセスする場合は、美術館の正面入口まで回らずに、途中の職員用通用口から館内へ入ることも出来ます。

身体障害者専用の無料駐車区画」からアクセス

小雨など悪天候の時は、スタッフがこのショートカットルートに誘導して下さいます。この職員用通用口の前まで車で進み、障がいのある人を降ろして、運転者だけで駐車区画に戻ることも出来ます。

身体障害者専用の無料駐車区画」からアクセス

美術館の館内は車椅子での利用に大きな問題はありません。出入口はフラットな自動ドアです。

世田谷美術館

エントランスから1F館内へ入ると、左手が受付、その先の通路を左に進むと主に企画展が開催される1F展示室入口になります。

館内のバリアフリー動線

1F展示室を出ると左手に1Fと2Fをつなぐエレベーターがあります。このエレベーターで2Fへ上ると、主にコレクション展が開催される2F展示室の入口前に出ます。2F展示室の出口の先に2FからB1をつなぐエレベーターがあります。

2FからB1をつなぐエレベーター

以上の動線はすべてフラットで車椅子での移動に問題はありません。また2Fには資料が閲覧できる「アートライブラリー」があり、車椅子で利用できます。

2Fには資料が閲覧できる「アートライブラリー

バリアフリートイレの状況です。B1、1F、2Fにそれぞれ1つバリアフリートイレが用意されます。この内1Fのバリアフリートイレはオストメイト、ウォシュレット付き便器が備えられています。ユニバーサルベッドはありません。

1Fには2か所トイレがあり、バリアフリートイレは、受付から見て左手のミュージアムショップの奥のトイレにあります。右手の区民ギャラリー側のトイレは一般用だけです。

障害者用トイレの状況

レストランは1Fにあります。ミュージアムショップの先へ進み、そこから左に曲がる通路の先にあります。この通路の途中に手動ドアがあるので、車椅子では介助者がいると助かります。

レストランのバリアフリー状況

通路はフラットで段差はありません。レストラン店内はスペースに余裕があり段差はありません。可動式のテーブルと椅子席なので、車椅子での利用は可能です。レストラン店内にもバリアフリートイレがあります。

レストランのバリアフリー状況

カフェはB1にあります。エレベーターでB1へ下りると、カフェ入口へつながる緩やかなスロープ路があります。カフェもレストランと同様に車椅子で利用できます。

カフェのバリアフリー状況

B1にある「創作の広場」には野外アートの展示があります。B1館内から広場にでるドアは、車椅子では通行しにくい開閉式の手動ドアで、小さな段差もあります。

創作の広場のバリアフリー状況

広場にでれば路面はフラットです。車椅子でのアート鑑賞は可能です。

創作の広場のバリアフリー状況

美術館のエントランス周辺及び1F展示室やレストランからも見える「くぬぎ広場」に、屋外アートの展示があります。館内外から車椅子での鑑賞は可能です。

その他の屋外アート

世田谷美術館の観覧料は、障がい者減免制度があります。企画展の料金は企画展により異なりますが、よくあるパターンは本人が半額程度に減免、介助者1名が無料に減免されます。展覧会ごとに確認してください。

世田谷美術館

今回取材時は、コレクション展は「森芳雄と仲間たち」、企画展は「高橋秀+藤田桜 素敵なふたり」が開催されていました。両展とも、車椅子で鑑賞できない作品はありません。車椅子で問題なく鑑賞できる展示会です。

展示のバリアフリー状況

「世田谷美術館」は、車の利用であればアクセスが便利です。緑あふれる砧公園のなか、車椅子で利用できるバリアフリー美術館です。

近隣にある「長谷川町子記念館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2023年3月に加筆しました)

中目黒 郷さくら美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都目黒区、中目黒の「郷さくら美術館」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

障害者減免制度あり

アクセスの状況です。中目黒駅から徒歩5分の案内です。駅から山手通りを渡り、東急ストアの横を通り、目黒川を越えます。この間、車椅子で通行できない箇所はありません。

来館者用の駐車場は身障者用も含めてありません。車利用の場合は近隣の有料駐車場またはパーキングメーターの利用になります。

観覧料は障がい者減免制度があり、本人が半額に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けて下さい。

美術館の概要です。美術館の展示室は3フロア構造です。エントランスから出入口まではフラットな構造で、自動ドアを通ります。館内に入るとすぐに受付があります。

美術館の展示室は3フロア構造

エレベーターは1基あります。

エレベーターは1基。障害者用トイレは1Fに1つ用意されます。

バリアフリートイレは1Fに1つ用意されています。ユニバーサルベッドはありません。

エレベーターは1基。障害者用トイレは1Fに1つ用意されます。

館内の段差箇所は一ヶ所です。1Fの展示室がAとBに分かれ、この間に階段があります。

1FのA・B間に段差あり

車椅子利用者はスタッフに操作していただく昇降機の利用になります。

1FのA・B間に段差あり

昇降機を下りて1FのB展示室を観覧します。

1FのA・B間に段差あり

展示作品は、原則として「郷さくら美術館」が所蔵する現代日本画です。今回取材時の企画展は、すべての作品が写真撮影可でした。

企画展+桜展

年4回の企画展が開催されます。今回は2019年8月「日本画 青・蒼・碧 展」が開催中でした。そして同時開催として「桜百景」展が開催されます。

アクセス方法

桜の名所の目黒川の沿いにある美術館です。2F展示室は1年を通じて満開の桜を描いたコレクション展が開催されます。

桜百景展

「郷さくら美術館」は、バリアフリートイレがあり、エレベーターと昇降機が備わり、障がい者減免制度がある美術館です。

別稿で「目黒区美術館」のバリアフリー情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年8月に執筆しました)