「道の駅」は車椅子で利用できる施設です。しかし現地のバリアフリー状況はそれぞれ。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。
なお道の駅の名称をクリックすると、より詳しいバリアフリー情報ページにリンクします。ご参照ください。
本稿は千葉県の香取・海匝エリア(香取市、神崎町、多古町、東庄町、旭市、匝瑳市、銚子市)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。
「道の駅季楽里あさひ」(旭市)
2015年開業。施設全般、段差のないバリアフリー設計です。身障者用駐車区画は屋根付きで3台分を用意。バリアフリートイレは、独立トイレ棟に2つと、施設内インドアトイレに1つ、合計3つ。いずれもオストメイト対応のフル装備です。

施設棟には農産物直売所とレストラン、情報発信スペース。屋外向きの窓口販売で、スムージーとアイスの売店があります。

直売所内の通路幅は余裕があります。旭市は農産物だけではなく、お肉の産地であり、魚の水揚げ県内2位の飯岡漁港がある市です。ショップは野菜だけではなく、米、肉、魚の品揃えが豊富です。

「情報発信スペース」には「インタラクティブサイネージ」を設置。60インチのディスプレイが2基。旭市の情報案内機能と、「コスプレ体験」など遊びソフトが仕込まれています。

屋外の「芝生広場」は、大型の遊具が配備された児童公園です。広さは2,500㎡。幼稚園から小学校低学年向けの大型遊具が導入されています。

「株式会社季楽里あさひ」が運営。会社のトップは旭市長。資本金4,400万円。出資者は、旭市、農協、漁協、千葉銀、銚子信金・・・、など。官主導で民一体型の地域振興施設です。

「道の駅発酵の里こうざき」(神崎町)
2015年開業。駐車場から各施設にかけて段差の無いフラット構造の施設です。第一駐車場の身障者用駐車区画は2台分用意。「満車の時は第二駐車場へ」という案内がでていますが、第二駐車場は施設の裏手にある未舗装路面の駐車場なので、車椅子ユーザーにはお薦め出来ません。

千葉県香取郡神崎町。平成の大合併を乗り越えた千葉県でも希少な「町」。人口は6500人ほど。古くから酒、味噌、醤油などの発酵食品の生産が盛んで、300年以上の伝統をもつ造り酒屋が2軒、「仁勇」ブランドの「鍋店」と「五人娘」ブランドの「寺田本家」があります。

道の駅の主な施設構成は、「産直ショップ」「発酵品ショップ」「食事処」「CVS」です。バリアフリートイレは、独立トイレ棟の男女それぞれの入口近くにあります。異性介護で利用可能です。

産直ショップ「新鮮市場」は30坪クラスの小型ショップ。通路幅は狭く混雑すると車椅子での店内回遊は苦戦します。

「発酵市場」も30坪クラス。産直ショップに比べればスペースに余裕があります。地元品に限らず、全国の発酵商品が置かれています。

麹の料理を提供する「レストランオリゼ」は30坪クラスで、食券制のフードコート方式。構造的にはバリアフリーです。別にカフェメニューの「はっこう茶房」もあります。

「道の駅水の郷さわら」(香取市)
2010年の開業ですが、2018年4月に産直ショップが増床してリニューアルオープン。車椅子でより利用しやすい施設になりました。

「水の郷さわら」は、国道356号線の「道の駅」と、利根川の「川の駅」の2つの要素で構成される施設。建物は2棟あります。

道の駅の身障者用駐車区画は産直ショップ棟の裏側、利根川沿いの駐車スペースに3台分用意されます。この駐車区画からすぐの場所に、棟に入る自動ドアの裏口があります。

その裏口の手前にバリアフリートイレがあります。このトイレはユニバーサルベッドが用意されています。バリアフリートイレはもう一か所「防災教育展示」棟1Fにもあり、このトイレもユニバーサルベッドがあります。

産直ショップ棟内にはショップとフードコート。基本構造はバリアフリーですが、車椅子で利用すると少し通路が狭く、混雑時は苦戦します。産直ショップは増床により、以前よりも広さに余裕ができました。フードコートは車椅子利用ではやや狭いお店です。

別棟は「川の駅」で「防災教育展示」棟は、総合案内と物産館、そして「防災教育展示」があります。川の駅としての身障者用駐車区画が1台分あります。

物産コーナーの通路はやや広く、車椅子でも利用しやすいサイズです。利根川が見える窓際はイートインスペース。無料のお茶や電子レンジがあり、お弁当などを自由にいただけます。窓の外側のデッキスペースは、車椅子で利用しやすい広いフリースペースです。

「防災教育展示」は2フロア構成でエレベーターが有ります。
防災のテーマは利根川の治水です。それに関わる常設展示が2F。1Fはイベントスペースと、奥には治水対策に使用された重機などの実物展示があります。車椅子での見学は可能です。


施設内の利根川の川辺は、船乗り場などの「川の駅」施設。観光船乗り場、カヌー乗り場、ボートの係留場などがある施設です。当然バリアフリーの限界がありますが、眺めは素晴らしい。車椅子で利根川の眺望を楽しめます。

「道の駅くりもと」(香取市)
2002年の開業で、施設全般のバリアフリーレベルは高くありませんが、農産物の品揃えは素晴らしい道の駅です。現在は香取市ですが、もともとは「栗源」と書いて「くりもと」と読む町でした。施設コンセプトは「都市と農村交流・情報発信拠点」。サブコピーは「紅小町の郷」、さつまいもの品種名です。

身障者用駐車スペースは、施設棟横に1台分。満車の場合は、第一駐車場は慢性的に混雑していますので、奥にある第二駐車場にゆっくり乗降できる場所が空いている可能性があります。

バリアフリートイレは男女別トイレの入口の内側にそれぞれあります。内側ですが入口のすぐそばなので、異性介護でも何とか利用できます。トイレ個室内の広さは確保されています。

「農産物直売所」は第一駐車場からは一段高い場所、スロープを上ります。店前の通路はあまり余裕がなく、店内通路幅も広くはありません。混雑時の車椅子での買い物は苦戦します。

秋のサツマイモの収穫時期は、サツマイモが山積みで売られています。栗源の地元産品から、茨城産くらいまでが農産物の主力。「切り花」や「花木」も充実。品揃えはハイレベル、価格は適正です。バリアフリー度はいまひとつですが、お買い物ショップとしてお薦め出来ます。

物産館は「全国うまいもの交流館」。その名の通り全国の逸品が並びます。この売り場も出入口や通路幅に余裕がなく、混雑時は車椅子での利用は苦戦します。
食事処「味処いっぷく」は、狭いながらも車椅子での利用は可能です。安くてボリュームがある食事処です。また施設内には、焼き芋をはじめ屋台が出店しています。

のどかな雰囲気の里山の一角です。旧栗源エリアは人と自然が共生していた里山の文化が残る農業エリア。自然のままではなく、人の手が入った自然が残るエリアです。道の駅の敷地内にも、往時の民間信仰が残る保存施設があります。
道の駅を拠点にした、近隣の里山散策コースが提案されています。また、施設の裏手には里山公園が広がっています。農業体験エリア、収穫体験エリアもあります。しかし残念ながら、いずれもバリアフリーではありません。

「道の駅多古(たこ)」(多古町)
2001年の開業で、段差をスロープで回避する施設です。レストランは2015年に全面改装されました。

ショップとレストランがある施設の名称は「あじさい館」。ここは紫陽花の名所です。また横を流れる川には観光船も。車椅子での利用は難しい船ですが、低廉な価格で船観光が楽しめます。

身障者用駐車区画は第一駐車場に2台分。屋根付きでスペースも広い区画です。ここが満車の場合、第一駐車場は60台超の収容で週末の日中は満車状態が続き、車椅子でゆったり乗降できる駐車スペースの確保は困難。第二駐車場は第一に比べれば空いています。

バリアフリートイレは、第一駐車場身障者用駐車区画の近くにある独立トイレ棟の中、男女別一般トイレの入口の内側にそれぞれあります。入口近くなので異性介護でも、神経質に気にならない人なら利用可能です。トイレは設備更新されてウォシュレット付きになっています。ショップ内のインドアトイレにはバリアフリートイレはありません。

農産物直売所「ふれあい広場」は、2Fまで吹き抜けで天井が高い構造。売り場面積は現在の道の駅の平均レベルで、通路はやや狭いお店です。構造的に細長い建物で、奥に長いうなぎの寝床的な売り場です。車椅子で店内移動は可能ですが、人とすれ違うにはギリギリな幅で、混み合うと車椅子での買い物は苦戦します。

店内で目立つキャッチコピーは「おかずが要らない多古米」。日本一おいしいお米と名乗っています。もう一つの名産品は「やまと芋」。味と粘りが違う逸品です。

レストラン「キッチンTAKO」内へのスロープは緩やかで、店内とテラスに可動式のテーブル席があり車椅子で利用できます。一部の席は車椅子で利用しにくい固定席。注文は食券制。お茶やお水はセルフサービス。「多古米」や「やまと芋」を楽しめるメニューが用意されています。

レストランの上階は飲食可能なフリー休憩室。車椅子ではレストラン内にあるエレベーターを利用します。このエレベーターの利用時間は10時から16時です。

休憩室からは雄大な多古町の田園風景が臨めます。ただしスペースはあまり広くなく、車椅子での利用はギリギリ。ショップの上階部へつながりますが、こちらの上下階移動は階段のみです。
千葉県「道の駅」の紹介記事は、別に「千葉県東葛・印旛・京葉・君津エリア編」「千葉県山武・長生・夷隅エリア編」「千葉県安房エリア編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。