箱根 大涌谷 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

箱根大涌谷は、現時点では火山ガスの影響で立入禁止区域があり、現時点で観光できる範囲は「くろたまご館」周辺に限定されます。今後も火山活動の状況によって、立ち入り範囲が限定される可能性があるので、お出かけの前には最新場情報を確認してください。

2018年9月に取材した時点での、大涌谷の車椅子での観光上の注意事項と、現地のバリアフリー状況を紹介します。

大涌谷バリアフリー情報

○持病のある方は火山ガスに注意

現時点で大涌谷周辺は、火山ガスによる健康影響がある人の立ち入りが制限されています。アレルギー性喘息、気管支疾患、呼吸器疾患、心臓疾患、心臓ペースメーカー装着者は観光できません。また妊婦、新生児、乳幼児、高齢者も、注意が呼びかけられています。

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○標高1000m

火山ガスの問題以外に、障がいのある方が健康上で注意すべきことは、ここが標高1,044mであること。低地よりも気温は低く、かつここだけ荒天になることもあります。ご自身やご家族の障がいの状況に応じて、無理をしないように気をつけてください。

大涌谷バリアフリー情報

○アクセスは車かロープ―ウェイ

駐車場から、ロープ―ウェイ駅から、傾斜路やスロープの利用で、車椅子で「くろたまご館」周辺へ移動できます。

車の場合は渋滞に注意が必要です。夏休み時期や週末は、大涌谷駐車場への入場に、ひどい時は1時間以上かかることがあります。駐車料金の障がい者減免制度はありません。

現時点では、大涌谷は17時に閉鎖されます。

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○新火口をみる展望台へ

新火口をみる展望台が、現時点では大涌谷で最も迫力のある景観が楽しめる展望台です。展望台は車椅子で利用できます。段差の小さい箇所を選んで、車椅子で展望台へ進んで下さい。

大涌谷バリアフリー情報

○「くろたまご館」はバリアフリー

観光施設「くろたまご館」は、スロープ、エレベーター、バリアフリートイレがあるバリアフリー施設です。以下「くろたまご館」のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

大涌谷バリアフリー情報

○1Fは「箱根ジオミュージアム」

「くろたまご館」の1Fには「箱根ジオミュージアム」があります。

箱根町の障がい者減免制度が2019年4月に変更されました。障害者手帳の提示で本人と介助者1名の利用料が無料に減免されます。

車椅子で利用できる小さなミュージアムです。箱根が形成された歴史、新火口の最新情報などを知ることが出来ます。

また1Fの無料ゾーンには、綺麗なバリアフリートイレがあります。

大涌谷バリアフリー情報

○2Fはショップ&レストラン

「くろたまご館」のエレベーターで2Fへ。2Fはショップとレストランがあり、車椅子での利用は可能です。

ショップは通路幅に余裕のある、車椅子で買い物が出来るお土産ショップです。黒玉子の販売コーナーもあります。

レストランはランチバイキングのお店。店内はフラットで、一般的な可動式のテーブルと椅子が配置されるレストランです。

2Fからは大涌谷駐車場方面に、2つのスロープでつながります。快適に車椅子で移動できるバリアフリー動線です。

大涌谷バリアフリー情報

現時点で立入出来る「くろたまご館」周辺は、車椅子で観光出来ます。車椅子での大涌谷観光は、ガスや天候、そして渋滞に注意して下さい。

横浜象の鼻パーク・大さん橋 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

横浜港発祥の地「象の鼻地区」にある「象の鼻パーク」と「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」は、車椅子で利用できる施設です。両施設のバリアフリー状況を紹介します。

「象の鼻パーク」

横浜開港150周年記念事業として2009年に開園した「象の鼻パーク」。関東大震災で崩壊したといわれる「象の鼻防波堤」を再現した施設です。

車椅子での山下公園からのアプローチは「山下臨港線プロムナード」を利用できます。山下公園の横からエレベーターで上がり、そのまま空中プロムナードを車椅子で進むと、「象の鼻パーク」の「開港の丘」にバリアフリーに行くことができます。

横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

「象の鼻パーク」は、再整備工事で発見された明治期の遺構が保存活用され、現地には解説版が掲示されています。各遺構は車椅子で見学可能です。

「開港の丘」の「赤レンガ」方面に近い場所にあるのが「旧横浜税関倉庫の基礎」。明治20年代に建てられた、レンガ造り2階建て倉庫の基礎部分です。

横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

スロープルートを下ると屋内施設「象の鼻テラス」があります。「象の鼻テラス」への入口は2か所あり、海側は手動ドア、陸側が自動ドア。車椅子では陸側のドアから入ると便利です。「象の鼻テラス」はバリアフリー施設で、バリアフリートイレがあります。

横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

「象の鼻テラス」内にある、巨大な象の像は「時をかける象」、その名は「ペリー」。全長6m、全高2.6m、足のサイズは70cmオーバーです。

「象の鼻テラス」は「文化芸術創造都市クリエイティブシティ・ヨコハマ」を推進する目的で造られた文化観光交流施設。「ペリー」以外にも、クリエイティブな作品に出会えます。

横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

「象の鼻テラス」から「開港波止場」へ向かう空間には、大きな「スクリーンパネル」が並んで設置されています。これらは夜景を演出する照明設備です。

「開港波止場」にある遺構は、「貨物線の鉄軌道と転車台」。岸壁から横浜税関への荷役を担ったもので、明治20年代に整備された施設です。この遺構の近くには「象の鼻地区の変遷」の解説版もあります。

横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

再現された「象の鼻防波堤」は、「大さん橋」に大型客船が入港している時は、豪華客船を眺めるビューポイントになります。

「象の鼻防波堤」の遺構は「石積みの防波堤」。明治初期に造られ、関東大震災で沈下した石積み護岸の一部で、半分は海の中にあり、防波堤の一部分として機能させながら保存されています。

横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」

エプロンと呼ばれる巨大な岸壁に大型客船が停泊する「大さん橋」は、2002年に造られた7代目です。

車椅子で行く横浜 象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

大さん橋の駐車場は、駐車料金の障がい者減免制度があり無料に減免されますが、週末はすぐに満車になります。

象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

長さ450m幅110mという巨大な施設なので、移動距離はありますが、大さん橋はバリアフリー設計で車椅子での利用は可能です。バリアフリートイレは屋内に複数用意されています。

象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

1Fは駐車場、2Fは出入国ロビーとイベントホール、3Fは屋上公園「くじらのせなか」です。

「くじらのせなか」の歩道は、傾斜はありますが車椅子で散策可能です。氷川丸・山下公園を、みなとみらい地区を、車椅子から見渡すことが出来ます。

象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

大さん橋では様々なイベントが開催されます。

2017年から不定期に開催されているイベントは「横浜大さん橋マルシェ」。普段は立ち入り禁止の大型客船が停泊するエプロンに、屋台形式の物販店やキッチンカーが約200出店。海沿いにフリーテーブル席を大量に配置。相当の混雑でも、車椅子で苦にならないスペース的な余裕があります。

象の鼻パーク・大さん橋 バリアフリー情報

「象の鼻パーク」と「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」は、車椅子で利用できるバリアフリー施設です。そして混雑時でも車椅子で苦労しない、スペース的な余裕があります。

横浜港大桟橋の近くにある博物館「シルク博物館」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年3月に加筆しました)

福島 猪苗代湖 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

日本で4番目に大きな湖「猪苗代湖」。美しい湖面が魅力的です。車椅子で利用できる、猪苗代湖周辺のバリアフリー施設を紹介します。

車椅子で眺めるベストスポット「長浜公園駐車場」

猪苗代湖を車椅子から眺めるなら「長浜公園駐車場」がお薦めです。ドライブなら、ここが最初の目的地。スワンの観光船の発着場です。

湖畔にある無料駐車場です。普通自動車なら湖面に向いて駐車が可能。車の中から猪苗代湖の眺望を楽しめるので、冬場に重度障がいの方と一緒に観光に来ても利用可能です。

場内はフラット。冬場の積雪、凍結以外には、車椅子での移動に大きな問題はありません。

猪苗代湖バリアフリー情報

駐車場に公衆トイレがあり、バリアフリートイレがあります。現時点では新しいトイレで綺麗です。

猪苗代湖バリアフリー情報

白鳥やカモの越冬地なので、一歩外に出ると水鳥にも出会えます。長浜公園駐車場から、水鳥にエサをあげることができます。そういう行為が自然界に良いのかは疑問ですが、駐車場からすぐ眼の先が、多数の水鳥が集まる場所です。その光景を撮っている人も多い駐車場です。

猪苗代湖バリアフリー情報

周辺観光施設のバリアフリー概況

猪苗代湖周辺の代表的な観光施設のバリアフリー概況です。

「野口英世記念館」、「諸橋近代美術館」は、バリアフリー仕様です。「世界のガラス館」も、車椅子で入館できます。

「はじまりの美術館」は、出入口へのアプローチが、一般的な車椅子利用者には辛いガタゴトの木製歩道です。

「天鏡閣」は明治の洋館なので、基本構造がバリアです。車椅子向きではありません。

猪苗代湖バリアフリー情報

最新の施設「道の駅猪苗代」

猪苗代湖周辺で最も新しい施設は、2016年に開業した「道の駅猪苗代」です。ここは車椅子で快適に利用できるバリアフリー施設です。

身障者用駐車スペースは2台分で屋根なし。バリアフリートイレは24時間トイレに2つ、ショップ棟の中に1つ、合計3つを配置。広さ設備とも十分なレベルのトイレです。

猪苗代湖バリアフリー情報

施設は直売所、食事処、情報コーナー、フードコートという構成、ワークショップルームや交流室など地域交流施設もあります。いずれもバリアフリー設計で、スペースにゆとりがあるので、少々の混雑なら車椅子で十分に施設内を回遊できます。

新しい試みがある施設で、特にフードコートは、これまでの道の駅のレベルを超えた、洗練されて洒落な印象を受けます。

猪苗代湖バリアフリー情報

高速インターチェンジのすぐ近くに立地する道の駅で、現在のところETCの利用で高速から下りて立ち寄っても、高速料金据え置きサービスの対象となる道の駅です。

猪苗代湖のすぐ近くにある道の駅ですが、道の駅から猪苗代湖は見えません。展望台などの設備はありません。

猪苗代湖バリアフリー情報

紹介した駐車場がある「長浜」は、古くからの港ということ。陸路が整備される前の昭和初期までは、水路の玄関口として水運の中心基地であったそうです。

猪苗代湖の水が綺麗な要因は、流れ込む川の影響で酸性水であること。そのためプランクトンが発生せずに水が綺麗に保たれます。

ところが会津若松市が公表しているデータでは、10年前から酸性水の中和がどんどん進んでいるということ。原因は生活排水ということです。

ビュースポットがあり、バリアフリー観光施設があり、新しい道の駅があります。猪苗代湖は、車椅子で楽しめる観光地です。

3kmの遊歩道に1000本のしだれ桜が並ぶ「喜多方しだれ桜並木」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年4月の取材に基づいています)