群馬 赤堀花しょうぶ園 車椅子鑑賞ガイド バリアフリー情報

6月には2万4千株の菖蒲が咲き誇る、群馬県伊勢崎市の「赤堀花しょうぶ園」は車椅子で鑑賞可能なバリアフリー菖蒲園です。

2016年6月3日から6月24日開催の「花しょうぶ園まつり」を取材しました。車椅子からみた、現地の状況を紹介します。

関東地方ではトップレベルの植栽面積11,400㎡を誇る、細長い地形の菖蒲園です。

一般に菖蒲園は、デコボコで車椅子では苦戦することが多いのですが、ここは舗装路から、菖蒲園全体を見廻ることができます。「赤堀花しょうぶ園」は入場無料です。

群馬「赤堀花しょうぶ園」車椅子鑑賞ガイド バリアフリー情報

駐車場があり「花しょうぶ園まつり」期間中は有料と案内されています。

駐車場に向かうと、やや南側の場所に「障害者←」という小さな看板がありました。身障者用駐車場の案内と判断し、細い脇道に入ると、50台は収容できそうな、無料の身障者用駐車場がありました。HPなどでは「イベント会場」と告知されている場所です。

全く何の告知もされていないので、毎年、毎日、身障者用駐車場として開放されているのかは不明です。

身障者用駐車場は舗装された駐車場で、細長い「赤堀花しょうぶ園」の中央部にあります。

この駐車場から舗装路を通り、「赤堀花しょうぶ園」脇を通る舗装路にそのまま行くことができます。車椅子での移動に問題はありません。

今回取材時、高齢者福祉施設の2団体が来園していました。みなさん、車椅子で花菖蒲を楽しんでいます。

群馬「赤堀花しょうぶ園」車椅子鑑賞ガイド バリアフリー情報

頑張れる車椅子利用者には、より花に近づくルートがあります。

舗装された道路の脇に赤堀しょうぶ園はありますが、舗装路は赤堀花しょうぶ園よりも1mほど高く、花菖蒲を見下ろす鑑賞になります。

赤堀花しょうぶ園の反対側は、未舗装の散策路。この未舗装路は赤堀花しょうぶ園と同じ高さで、より近くで花菖蒲を楽しむことが出来ます。

未舗装路ですが、多少のデコボコや傾斜を我慢できる人なら、車椅子で通行可能なレベルです。

一番の難所は、舗装路から未舗装路側に渡る「橋」で、菖蒲園内に何本も橋が架かっていますが、ほとんどが段差のある橋です。その中で、車椅子でギリギリなんとか渡れる橋が一本だけありました。

橋の乗り継ぎ箇所や両脇にやや段差があり、橋自体は緩い傾斜橋です。これを乗り越えられたら、「赤堀花しょうぶ園」と同じ高さの未舗装路側に、車椅子でも行くことができます。前出の高齢者福祉施設の皆さんも、渡っていました。

群馬「赤堀花しょうぶ園」車椅子鑑賞ガイド バリアフリー情報

「赤堀花しょうぶ園」は、「国指定史跡 女堀(おんなほり)」にあります。

以下「女堀」を紹介します。

1108年に浅間山が噴火し、火山灰でこの周辺の土地が荒廃。土地再生のために、12世紀に造られた農業水路の跡で、全長は13km近くになるそうです。

調査の結果、残念ながら用水路として機能した形跡はなく、未完の用水路に終わったとされています。中世の人が挑戦し、挫折した灌漑施設の遺構です。

身障者用駐車場には公衆トイレがあり、バリアフリートイレがあります。今回取材時の状況では、積極的にお薦めできるレベルのトイレではありませんでした。

菖蒲園全体をゆっくり車椅子で鑑賞すると、最短で20分くらいは必要な規模です。休憩をすませてから、来園されることをお薦めします。

200mは続く花菖蒲の畑で、品種は多数あります。「赤堀花しょうぶ園」は、車椅子で楽しめるバリアフリーな菖蒲園です。

同じく伊勢崎市にある「あずま水生植物公園」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

都立水元公園菖蒲園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都葛飾区の都立水元公園には、車椅子で利用できる大規模な菖蒲園があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

都立水元公園

都立水元公園は親水公園。水郷のような景観が特徴の、広大な面積を有する都立公園です。

場所は東京都と埼玉県、千葉県の県境。アクセスは車が便利です。有料駐車場が複数あり、都立公園なので駐車料金の障がい者減免制度があります。

公園内に1万4千株の菖蒲が咲く大規模な菖蒲園があります。その全域が車椅子で散策できます。車椅子利用者にお薦めできる入園無料の菖蒲園です。

公園内はほとんど高低差がなくフラットな地形です。一般的な車椅子利用者なら、移動に苦労するポイントはありません。

大規模な菖蒲田が幾つも繋がっています。鑑賞路はすべて舗装路。いくつかの菖蒲田内には木製の歩道が整備され、花の中を車椅子で散策できます。木製歩道はフラットで幅は十分にあるバリアフリー仕様。車椅子で問題なく利用できます。

広い菖蒲園なので、満開の週末でも見学が出来ないことはあり得ません。現地に行けば車椅子でも何とかなる、絶対的なスペースの余裕があります。以上のように素晴らしい菖蒲園ですが、古くからある公園なので、車椅子利用者にはいくつかの注意点があります。

駐車場は3カ所で300台以上収容可。菖蒲満開の時期の週末は、満車になることが多いようです。身障者用駐車区画は全てで9台分と案内されています。第一駐車場は2台分でした。身障者用駐車区画が満車の可能性が高い駐車場です。

園内のほとんどの公衆トイレには、バリアフリートイレが併設されています。トイレのレベルとしては、いわゆる公衆トイレのレベルです。清掃は行われていますが、ウォシュレットなどの設備はありません。トイレットペーパーは置かれています。この種のトイレでは利用が難しい障がいのある方は、近隣の商業施設などでトイレを借りてから来園されることをお薦めします。

広い公園の中の大規模な菖蒲園です。数多くの菖蒲田を鑑賞すると、かなりの距離を移動することになります。晴れた日は暑さに注意。菖蒲開花時期の直射日光は強烈です。園内のには木陰になる場所もありますが、菖蒲田内に日よけはありません。炎天下を歩くことも多くなります。日傘、帽子をかぶるなど、暑さ対策を忘れずに用意してください。

公園内には売店と食事処があります。どちらも施設のハードが古く、今どきのバリアフリー設計ではありません。車椅子で利用できるかは、その人の障がいの状況次第ですが、あまり利用を当てにしないで来園されることをお薦めします。

現地には都内最大の菖蒲園という案内があります。都立水元公園には、大規模で且つバリアフリーな菖蒲園があります。

関東のバリアフリーな菖蒲園を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年5月の取材に基づいています)

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷 バリアフリー情報

東京都江戸川区の江戸川河川敷に整備された入園無料の施設です。菖蒲田は約4,900㎡。そこに約50,000本の花菖蒲が栽培されています。散策路はフラットな舗装路で、車椅子で楽しめるバリアフリー菖蒲園です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷

江戸川駅から徒歩5分の案内です。車利用の場合は、河川敷グランド利用者と共用の無料駐車場を使用します。駐車場には蔵前橋通りの両方向からアクセス可能。お帰りの際も、出口を選択して、東京方面、千葉方面、どちらにも向かうことができます。ゲート開放時間は夏季で8:30から18:30です。

河川敷駐車場は未舗装路面に広がり300台を収容しますが、小岩菖蒲園の身障者用駐車スペースの周囲だけは舗装されました。広くて使いやすい駐車区画が4台分用意されています。ここから舗装路面だけを通り、小岩菖蒲園に移動できます。

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷

菖蒲園散策路のバリアフリー状況です。河川敷なのでアップダウンはありません。ほぼフラットな舗装通路を通りながら、車椅子で菖蒲を楽しめます。

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷

各地に菖蒲園がありますが、未舗装、段差、飛び石路などがあり、車椅子で鑑賞できないことが珍しくありません。小岩菖蒲園はバリアフリー菖蒲園です。車椅子からみて素晴らしい菖蒲園ですが、以下に3点、利用上の注意点を記します。

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷

菖蒲の開花は例年6月。梅雨の晴れ間の日に散策に訪れる人もいるかと思われます。小岩菖蒲園は、日差しを遮るものがありません。気温が上がる予報の日は、暑さ対策に気をつけて来園してください。

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷

すぐ近くに京成電鉄の鉄橋があり、頻繁に電車が通ります。この時、それなりの騒音が発生します。大きな音に弱い障がいのある人は、電車の騒音に注意してください。

小岩菖蒲園 車椅子で行く江戸川河川敷

江戸川区のHPでは「車椅子用手洗所あり」と案内されています。どこかにトイレがあるはずですが、現地では確認できていません。

6月の菖蒲田の中は、数多くのオタマジャクシが泳いでいます。小岩菖蒲園は河川敷に整備されたバリアフリー施設です。

関東地方の車椅子で楽しめる花菖蒲やあやめ園を別稿でまとめて掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年6月に書き直しました)