国立科学博物館の研究施設「筑波実験植物園」は、車椅子で利用できますが注意すべき点もあります。現地のバリアフリー状況を紹介します。
通称は「つくば植物園」、1976年の開設です。アクセスは車が便利。立体駐車場棟もある無料駐車場があり、身障者用駐車区画は平置きで2台分用意されています。
そこから受付がある「教育棟」へ向かいます。このアプローチの路面は、老朽化によるデコボコと小さな段差があるので、慎重に車椅子を進める必要があります。
入園料は障がい者減免制度があり、障害者手帳等の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。
受付がある「教育棟」には、バリアフリートイレがあります。「教育棟」内の床面には小さなデコボコがあるので、注意して園内へ車椅子で進んでください。
園内には4つの温室があります。入口である教育棟から温室エリアまでは、100mほどの距離です。温室ですが、車椅子での雨の日の利用はこの移動区間が雨にうたれます。
4つの温室内は、急スロープあり、手動ドアあり、小さな段差ありと、快適なバリアフリー状況ではありませんが、車椅子での移動は可能です。
園内には「世界の生態区」と「生命を支える多様性区」という屋外展示エリアがあります。多様性区は2008年の開設です。
屋外展示エリアは全19ゾーンから構成された展示で、舗装された散策歩道が整備され、脇道にそれなければ全域車椅子での見学は可能です。
ただし、この歩道のバリアフリー水準も最低限です。デコボコや傾斜に気をつけながら、車椅子を進めて下さい。
2013年にリニューアルした「研修展示館」は、筑波実験植物園内で最も綺麗な施設です。エレベーターがあります。
1Fにバリアフリートイレが用意されています。1Fが誰でもトイレ、2Fが一般女性用、3Fが一般男性用です。1Fのバリアフリートイレは広くて綺麗ですが、ウォシュレットは付いていません。
筑波研究学園都市の開発初期からある施設です。植栽はこの地に根を張り、枝を広げ、園内の空気は100年前からの植物園の様。学術的な価値とともに、植栽に風格があります。
老朽化などにより施設インフラのバリアフリーレベルには問題がありますが、その点を割り引いても見学する価値が高い「つくば植物園」です。
「筑波実験植物園」、通称「つくば植物園」は、注意して通行すべき歩道、設備が老朽化した箇所がありますが、基本的には車椅子で利用できる施設、研究学園都市らしい、学術的な価値の高い植物園です。
筑波研究学園都市の「筑波宇宙センター」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2017年11月の取材に基づいています)