三春滝桜 車椅子観桜ガイド 福島県の一本桜バリアフリー情報

福島県には桜の銘木が多々あります。その中でも車椅子で鑑賞できる一本桜、「三春滝桜」「紅枝垂地蔵ザクラ」「合戦場のしだれ桜」の2018年時点でのバリアフリー状況を紹介します。

「三春滝桜」(三春町)

アクセスは車が便利、開花シーズンは無料の観光駐車場が開設されます。駐車場入口に誘導スタッフがいるので、車椅子利用の旨を申告相談してください。入口に近い広大なスペースが身障者用駐車スペースとして確保されています。スタッフの誘導にしたがって駐車してください。この身障者用駐車スペースの端に、仮設のバリアフリートイレが設置されていました。

福島一本桜のバリアフリー情報

開花シーズンの観覧は有料です。駐車場の先に仮設の支払い窓口があります。2018年時点では、この窓口は一段の上でスロープがありませんでした。

観覧料は障がい者減免制度があり、本人は無料に減免されます。そして車椅子で介助が必要な障がい者は、介助者1名も無料になります。

福島一本桜のバリアフリー情報

有料エリアへと進みます。ゲートから滝桜まで300mほどあり、すべて舗装路の上り坂です。一部かなり急な坂道の箇所もあります。車椅子利用者は介助者と同行することをお薦めします。

傾斜路さえクリアできれば、滝桜まで車椅子で移動は可能です。最も滝桜に近づく箇所は、段差のある未舗装路なので車椅子では無理ですが、そこまで近づかなくとも十分に滝桜を楽しむことは出来ます。

福島一本桜のバリアフリー情報

滝桜の周辺を散策するルートがありますが、段差があるので車椅子向きではありません。

福島一本桜のバリアフリー情報

「紅枝垂地蔵ザクラ」(郡山市)

三春滝桜から車で10分強の距離にある桜で、樹齢は約400年、樹高16m。三春滝桜の娘と伝承されています。観覧は無料です。

銘木から50mほどの距離に未舗装の無料観光駐車場があります。身障者用駐車区画はありません。駐車場は空き地に整然と駐車するイメージです。

福島一本桜のバリアフリー情報

駐車場から車道にでれば舗装路です。桜への路はやや坂道になりますが、それほどの傾斜ではありません。すぐに地蔵ザクラに到着します。

桜の根基に祠があり、そこまでは木製のパネルが敷かれたガタゴトのルート、根元へは車椅子では辛い道です。ただし桜を見るということでいえば、根元まで行く必要はまったくありません。

福島一本桜のバリアフリー情報

地蔵ザクラの周囲は「ハナモモ回廊」と呼ばれています。その名の通り、美しいハナモモが植栽され咲き誇るエリアです。

その中を自由に散策できますが、散策路は段差があります。車椅子では車道から見える範囲で「ハナモモ回廊」を楽しんで下さい。ただしその車道は、地蔵ザクラの先からは、車椅子では移動が辛い傾斜が急な上り坂になります。

「合戦場のしだれ桜」(二本松市)

三春滝桜の孫桜といわれています。名称の由来は、桜の場所が「前九年の役」の古戦場と伝承されているから。推定樹齢は170年ほどなので、合戦の現場にはない桜です。観覧は無料です。

無料駐車場があり、開花時は誘導スタッフがスタンバイしています。駐車場は未舗装で身障者用駐車スペースの設定はありません。乗降しやすい場所を選んで停めてください。

駐車場の周囲は数軒屋台が出店。簡易トイレは設置されていますが、バリアフリートイレはありません。

駐車場からの路面は未舗装ですが、固くフラットな路面なので、車椅子でそれほど苦労せずに移動できます。ただし雨上がりは、車椅子のタイヤに泥や草が絡みつきます。

駐車場から「合戦場のしだれ桜」までは、きつい傾斜路はありません。移動距離50m程度で、桜の正面に立つことが出来ます。

福島一本桜のバリアフリー情報

桜の下には菜の花が栽培され、ピンクと黄色のコントラストが美しい。夜はライトアップされます。

鑑賞エリアは未舗装ながらほぼフラットで、車椅子での正面側からの鑑賞に大きな問題はありません。桜の裏側に回るルートは段差路、裏側からの車椅子での鑑賞は無理です。

駐車場と桜の中間に小さな建物があり、中の壁面には「合戦場のしだれ桜」を写した数々の写真が展示されます。出入口は多少の段差がありますが、車椅子でもなんとか建物の中に入ることができるので、美しい桜の写真をご覧ください。

福島県を代表する一本桜の中で、「三春滝桜」「紅枝垂地蔵ザクラ」「合戦場のしだれ桜」は、少しの努力で車椅子利用者でも鑑賞できる3本です。

「喜多方しだれ桜並木」の情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。