横浜の宿泊研修施設 上郷森の家 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

神奈川県横浜市栄区の研修宿泊施設「上郷森の家」が、2019年9月にリニューアルオープンしました。7名で宿泊可能なバリアフリールームがあります。現地のバリアフリー状況と、車椅子でのアクセス方法を紹介します。

上郷森の家

横浜市ですが豊かな自然に囲まれた山の中の施設です。隣接して「横浜自然観察の森」「金沢市民の森」「金沢動物園」などがあります。

横浜市の研修宿泊施設で、運営は民間に委託されています。誰でも利用できますが、横浜市民は利用料の割引があります。

本館には客室、レストラン、カフェ、大浴場、そして屋内で焚き火が出来る「火の間」、144名を収容する「森のホール」、体育館のような「フォレストプラザ」などがあります。

別館には工作棟、陶芸棟、小さな体育館のような「ミニドーム」などの、体験棟があります。

屋外施設は「アウトドアフィールド」が整備され、グランピングやフリーサイトキャンプ、バーベキューなどが出来ます。

横浜自然観察の森へのアクセス

リニューアルされた本館内はバリアフリーです。パブリックスペースにバリアフリートイレがあります。

宿泊棟にバリアフリールームが2室あります。広いバルコニーと余裕のある室内空間。シングルベッドが2つ、ソファーベッドが1つ、二段ベッドが2つあり、7名まで利用できます。

障がいのある人と介助者のグループで利用できるバリアフリールームです。

本館のバリアフリールーム

アクセス方法です。激しいアップダウンがある山中の施設です。アクセスは車が便利です。一般駐車場は別館の隣接地にあり、身障者用駐車区画が1台分あります。そこから本館までのルートは、距離は短いですがアップダウンがあります。

一般駐車場は別館の隣接地

本館のエントランス前は車が寄せられる構造です。車椅子利用者が本館を利用する場合は、玄関前で乗降すると便利です。

本館の近くの路上に、縦列駐車で2台分の身障者用駐車区画が用意されています。「上郷森の家」で駐車許可を受けて許可証を掲示して駐車するルールです。

健常者の運転者がいる場合は、一般駐車場を利用しても、元気な人なら本館と駐車場の往復は問題なく出来ます。

別館のバリアフリー状況です。別館は高低差のある立地に4つの棟が連なる構造です。施設内の連絡通路は階段なので、車椅子では施設外の車道を通り目的の棟に移動します。別館内のトイレにはバリアフリートイレはありません。

別館のバリアフリー状況

隣接する「横浜自然観察の森」は、「自然観察センター」やバリアフリートイレがあるトイレ棟などがある森の施設です。

一般車両の通行は「上郷森の家」までで、その先は舗装路を徒歩で進みます。途中に段差があるので、「上郷森の家」から「自然観察センター」へは車椅子での移動はできません。「長倉口」から入る別ルートは段差がありませんが、約800mのアップダウンのあるルートです。

ユニークな施設がある「上郷森の家」は、障がいのある人のグループで利用できる施設です。

横浜市で唯一の自然海岸線が残る公園「野島公園」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年10月の取材に基づいています)

バリアフリーホテル 湯田中温泉旅館はくら 車椅子宿泊情報

信州長野の湯田中温泉「旅館はくら」は、東京都障害者休養ホーム事業の宿泊施設にもなっている車椅子で利用できる温泉旅館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

先代が晩年に脳梗塞で倒れ障がいを負い、改装する際にバリアフリーな温泉にしたい、というおかみさんの強い意志で現在の姿になったということです。館内どこでも車椅子で移動ができる旅館です。バリアフリー面での長年の功績により、長野県から表彰され、シルバースターを取得しています。

1Fが食堂やお風呂、2Fと3Fが客室、4Fが住居、夏場は屋上も開放します。エレベーターがあり、各フロアの共用部にはバリアフリートイレが配置されています。

シルバースター登録旅館

お部屋のバリアフリー状況です。3名までと5名までの、2タイプのバリアフリールームが用意されています。段差の少ないお部屋で、手すりや電動ベッドなどバリアフリー設備が導入されています。

お部屋のバリアフリー状況

温泉のバリアフリー状況です。檜の湯船に源泉かけ流しの温泉です。お風呂は男女用に二つあり、そのうち一つのお風呂には昇降機が設置されていて、重度障がいの方も温泉に入れます。入浴用の車椅子も用意されています。

取材時は、障がい者家族への運用サービスとして、このお風呂を1時間、家族風呂として貸切で利用させていただけました。

温泉のバリアフリー状況

お食事は、バリアフリーな食事処の利用になります。取材時は、食事の時間は30分単位で客の都合に合わせていただけました。都合の良い時間に、ゆっくりと信州の味を楽しめます。

これも取材時のエピソードですが、旅館入口にリンゴがあり「ご自由にお召し上がりください」という案内。とても美味しいリンゴでした。

小さな旅館ですが、湯田中温泉「旅館はくら」は、車椅子で泊まれるバリアフリーな温泉宿です。

北信州の観光拠点「道の駅北信州やまのうち」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年7月に加筆修正しました)

岐阜 かんぽの宿恵那 車椅子宿泊ガイド バリアフリー情報

岐阜を代表する景勝地「恵那峡」を眺望する「かんぽの宿恵那」には、バリアフリールームが用意されています。現地の状況を紹介します。

用意されているバリアフリールームは4Fに2室です。部屋のタイプは同じでツインルーム。エクストラベッドを入れて最大3人まで宿泊可能です。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

部屋の出入口は引き戸。バリアフリータイプのバス&トイレ。洗面台は独立して設置されています。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

ホテル全体のバリアフリー状況です。

アクセスは車が便利です。地下駐車場がある構造で、雨天でも濡れずにホテルに入ることが出来ます。駐車場には身障者用駐車区画が有ります。駐車場から直結するのはB1です。大浴場があるフロアで日帰り温泉としても営業しています。

B1フロアからは2系統のエレベーターがあります。フロントは1F。各フロア内に段差構造の箇所はなく、車椅子での移動に大きな問題はありません。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

1Fのショップコーナーはスペースに余裕があり、車椅子で利用しやすい構造です。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

チェックインしてバリアフリールームに向かいます。宿泊フロアへのエレベーターは1系統2基。エレベーターのかごは標準サイズで、大型の車椅子でも入ります。

お部屋のベッドはフル装備の電動ベッドが1台。今回宿泊した部屋では、もう1台のベッドも上半身部は電動するタイプでした。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

室内には車椅子と同じ高さの小間上がり畳スペースがあります。利用できる人は、足を伸ばして和のくつろぎを楽しむことが出来ます。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

バリアフリールームは天井走行リフトがあり、ベッド、トイレ、バスの動線をカバーします。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

バスのお湯は温泉ではありません。別に予約制の家族風呂があります。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

部屋には大きな窓、バルコニーがあり、恵那峡を臨みます。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

バリアフリールームから素晴らしい景観を楽しめます。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

パブリックスペースのバリアフリー状況です。夕食・朝食の会場は、スペースにゆとりがあるフラット構造で可動式テーブル席が配置されています。車椅子で利用できます。

大浴場は車椅子のための特別な設備はありませんが、無駄な段差のないバリアフリー構造です。男女別風呂の入口に浴場内用の車椅子が用意されています。お風呂で車椅子を乗り換えて、そのまま浴場内へ入り、車椅子のまま体を洗う運用です。

浴場の洗い場には、車椅子と同じ高さの小間上がりのようなスペースがあります。利用できる人には便利な洗い場です。

「かんぽの宿恵那」は車椅子で利用しやすい施設です。バリアフリールームには、歩行は困難ですが座位はとれる方には使いやすい、小間上がりスペースが用意されています。

恵那峡から約10㎞の中津川ICの近くに、おそらく世界で唯一のチコリ専門施設「ちこり村」があります。別稿で紹介しているのでご参照ください。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)