東京都台東区上野公園にある国立国会図書館「国際子ども図書館」は、明治期の建物を活用した車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
車椅子でのアクセスルートです。上野公園の東京国立博物館西門の前に建つ施設です。JR上野駅公園口からのアクセスが便利です。
一般来館者用の駐車場はありませんが、身体障がいがある人の利用に限り駐車スペースを利用できます。事前予約が推奨されています。
明治39年に帝国図書館として建てられた外観を保存した「レンガ棟」と、新築された「アーチ棟」、その中央にある中庭で構成されます。企画展などが開催できるホール、児童書が並ぶギャラリー、研究室や資料室、そして休憩室とカフェテリアなどがあります。施設は無料で利用できます。
施設全体バリアフリーで車椅子で利用できます。エントランスの入口は自動ドアで、段差は全くありません。各フロアはフラット構造で、上下階移動はエレベーターがあります。
中庭の通路もスロープがあり、車椅子で段差を回避して散策ができます。
各棟各フロアにバリアフリートイレがあります。「レンガ棟」2Fのバリアフリートイレには、ユニバーサルベッドが用意されています。
カフェテリアのバリアフリー状況です。「レンガ棟」1Fのカフェテリアは、食券制でセルフサービスです。店内はフラットで可動式のテーブルと椅子席が中心なので、車椅子で利用できます。
渡された番号札で呼ばれたら、カウンターにとりに行きます。水や箸、フォークなどもカウンターに並べられています。ただし健常者用の高さのカウンターで、車椅子では利用しにくいため、健常者と同行しての利用が便利です。
またカフェテリアから中庭のテラス席への出入口は、車椅子では開閉しにくい手動ドアです。中庭へは「レンガ棟」1F端の自動ドアから出るのが便利です。
カフェテリアの他に、館内で飲食が出来るのは、中庭のテラス席と「レンガ棟」1Fの休憩スペースです。どちらもフラット床面のテーブル席なので、車椅子で利用可能です。
国際子ども図書館の建物の見どころを紹介します。「レンガ棟」の正面外観を見学します。明治の帝国図書館の威容を楽しめます。
館内では「レンガ棟」の「大階段」は必見です。車椅子では各フロアから鑑賞します。
「レンガ棟」3Fの「ホール」には図書館に関する資料展示があります。
また外観を横から楽しめる小さなテラスがあります。
中庭も必見です。国際子ども図書館全体を内側から鑑賞できます。
中庭にはアートがあります。
資料室の見どころです。「レンガ棟」1Fの「世界を知るへや」は子ども向きの図書室ですが、興味がある人なら大人でも楽しめます。書棚の高さは子供向けに低いので、車椅子から手が届きます。
同2Fの「児童書ギャラリー」は、明治以後の本が並ぶ興味深いギャラリーです。ここの書棚は一般的な高さです。
同3Fの「本のミュージアム」は、企画展などが開催されている時だけの利用になります。展示はもちろん、室内の装飾も見応えがあります。
国際子ども図書館は、施設のハードとソフトの両面が魅力的な、バリアフリー施設です。
国際子ども図書館に近くにある「藝大アートプラザ」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年11月の取材に基づいています)