江戸川区 行船公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都江戸川区の行船公園は、車椅子で利用できる動物園と日本庭園がある、江戸川区が管理する無料公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

場所は江戸川区の北葛西。地元の人に愛される多目的な公園です。動物園、日本庭園、ジャンボスライダーがあるこども広場、桜広場に藤棚、水生池と無料で利用できる釣り池があります。行船公園3カ所に公衆トイレがあり、バリアフリートイレが併設されています。

今回休日の午後に訪れましたが、大勢の家族連れや子供たちで大賑わい。それでも車椅子での利用に大きな問題はありませんでした。

1983年に開園した「自然動物園」は入園無料で、小規模ながらペンギン、オタリア、オオアリクイ、レッサーパンダ、ワラビー、猿は3種、鳥類や亀、金魚などの展示ある動物園です。

正面入口はスロープ対応。付近に若干の傾斜路がありますが、園内全域にわたりフラットな構造で、車椅子での利用に大きな問題はありません。一般的に想像する無料動物園よりは、ワンランク上の内容です。

日本庭園のバリアフリー状況です。日本庭園の名称は「平成庭園」。平成元年3月に開園しました。園内を巡る周回路は舗装されてバリアフリー。多少のアップダウンはありますが、車椅子での散策は十分に可能です。脇道は段差があるルートが多いので注意して下さい。道を選べば車椅子で「主池」横まで散策できます。園内にはしだれ桜園、ツツジ園、花菖蒲園などがあり、季節のお花を楽しめます。一般的にバリア施設が多い日本庭園にしては、車椅子に優しい設計です。

行船公園に隣接して「都立宇喜田公園」があります。児童遊園、グランドなどからなる公園で、都立駐車場が2か所にあります。行船公園の利用者は「都立宇喜田公園」の駐車場利用が推奨されています。「第一駐車場」と「第二駐車場」があり、行船公園に近いのは「都立宇喜田公園第二駐車場」です。都立なので駐車料金の障がい者減免制度があります。ただしどちらも広い駐車場ではないので、週末の日中は満車の可能性があります。この点は注意してください。

行船公園は篤志家が昭和8年に寄付した土地がベースです。篤志家の名前は田中源氏。彼の屋号が「行船」。これが公園名称の由来です。区民の福祉増進と生活文化向上のためにと寄付された土地です。今まさに行船公園は区民の福祉増進に役立っています。

高さ115mの展望室がある「タワーホール船堀」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年5月の取材に基づいています)

吉祥寺井の頭自然文化園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

東京都武蔵野市吉祥寺にある「井の頭恩賜公園」のほぼ3分の1を占める「井の頭自然文化園」は、動物園の「本園」と水生物園の「分園」がある都立の施設です。車椅子から見た、井の頭自然文化園のバリアフリー状況を紹介します。

井の頭恩賜公園のバリアフリー状況は、別稿「再生した池を車椅子で散策 吉祥寺井の頭公園 バリアフリールート案内」を参照してください。

井の頭自然文化園

自然文化園の入園料は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。

本園の入口は吉祥寺通りに面しています。主な施設は動物園とメリーゴーランドなどがある小さな遊園地、そして「彫刻園」です。分園は水鳥や魚が展示され、入口は井の頭公園内にあります。

本園はほぼ全域がバリアフリー。分園はアクセス路及び園内の一部に、車椅子では通行が困難な箇所があります。現地の状況を詳しく紹介します。

井の頭自然文化園

吉祥寺駅方面からのアクセスルートです。吉祥寺通りの歩道は、やや荒れた路面の箇所もありますが、車椅子での通行は可能です。吉祥寺駅から700mほど、吉祥寺通りを進んで下さい。本園は進行方向右側にあり、正面入口から車椅子で入園できます。

分園の入口は井の頭公園内に2か所あります。井の頭公園はあまりバリアフリーではなく、公園に入るルートには急坂や段差路があります。車椅子でのお薦めルートは、本園と同様に吉祥寺通りを直進し、本園の前付近からスロープ路で進行方向左側の井の頭公園に入ります。園内は未舗装の歩道や荒れた路面が多いので、車椅子では慎重に進んで下さい。案内板にしたがって進むと、分園の「弁天門」入口に着きます。

井の頭自然文化園

車利用の場合、都立の「井の頭恩賜公園第一駐車場」と同「第二駐車場」があります。どちらの駐車場も身障者用駐車区画があり、また障害者手帳の提示で駐車料金が無料に減免されます。第一第二ともに右折入庫はできません。吉祥寺駅方面から吉祥寺通りを進んで下さい。

満車の確率が高い駐車場で、道路での待機はできません。最初にある第一駐車場は60台収容。ここに駐車できれば井の頭自然文化園はすぐ近くです。次の第二駐車場は100台収容で場所は「ジブリ美術館」の先。自然文化園までは700mほど距離があります。

井の頭自然文化園

自然文化園の本園は全域バリアフリーです。園内の通路はすべて舗装路でアップダウンはほとんどなく、車椅子で通行不能な箇所はありません。

本園内には屋外一戸建て方式の公衆トイレが4か所あり、すべてバリアフリートイレがあります。屋内トイレでは、彫刻館B館内のトイレにバリアフリートイレがあります。

「動物園」は一般的な車椅子利用者なら、すべての動物展示を見学できます。「リスの小径」内にも車椅子で入ることが出来ます。

小さな遊園地は幼児向けの有料遊具の広場です。車椅子のまま利用できる特殊な遊具はありません。

井の頭自然文化園

2016年に69歳で亡くなった象の「はな子」。「はな子」の象舎は現存しています。大きな「はな子」の写真パネルが飾られ、屋内スペースが一般来場者に開放され、「はな子」の遊び道具などが展示されています。車椅子での見学は可能です。現時点では、象舎は「はな子」のメモリアル施設になっています。別稿で吉祥寺駅の北口のはな子像を紹介しています。ご参照ください。

井の頭自然文化園

本園の彫刻園は目の肥えた大人の美術ファンが楽しめる施設です。彫刻家北村西望氏により、長崎の平和記念像はここにあるアトリエ館で製作されました。

井の頭自然文化園

氏の作品が並ぶA館とB館。さらに屋外展示されている作品は38点。ライトアップ設備もあります。すべて車椅子で鑑賞可能。彫刻を見るために訪れる価値がある井の頭自然文化園です。

井の頭自然文化園

また本園内には野口雨情の書斎を移築した「童心居」があり、お座敷ですが時間貸しで利用することが出来ます。

分園「水生物園」のバリアフリー状況です。オフロードなのは「水辺の小道」で、ここ以外の通路は車椅子で楽に通行できます。池に突き出た「ハクチョウデッキ」へも、車椅子で行くことができます。

井の頭自然文化園

屋外の公衆トイレ内にバリアフリートイレがあります。十分に実用に耐えるトイレで、設備は新しくウォシュレット付き便器が備えられています。屋内トイレは水生物館にあります。館内に一般トイレはありませんが、バリアフリートイレだけがあり、広くて綺麗なトイレです。誰でもトイレという名称になっています。

井の頭自然文化園は、車椅子で大人も子供も楽しめる、バリアフリー施設です。

(本稿は2018年5月の取材に基づいています)