東京都新宿区の東京オペラシティは、コンサートホールやNTTインターコミュニケーションセンターなどの文化施設と、グルメ店やショップがある複合施設です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
東京オペラシティは、まだバリアフリー設計が本格化する前の20世紀の施設ですが、開業後に数々のバリアフリー改修が行われ、現在では車椅子で利用できない決定的なバリア箇所はありません。一般来館者が利用する全ての出入口は、なんらかの段差解消措置が施されています。駅直結地下通路へ向かう車椅子用エレベーターが設置され、バリアフリートイレは増設されています。
初台交差点に建つ東京オペラシティの最寄駅は初台でエレベーターで直結しています。駅はB2でB1と1Fから利用できます。新宿駅からは直線で1km超の位置になります。
身障者用駐車スペースがある地下駐車場があります。注意点は駐車料金の減免サービスのハードルがとても高いことで、駐車サービスを行っている店舗はごく一部です。HPなどで最新情報を確認してご利用ください。
高層ビルはオフィス棟で、最上階53Fと54Fが展望レストラン街です。高層階へのエレベーターは2Fが起点です。その他の一般商業フロアはB1から2Fでレストラン&ショップのフロアです。3Fはコンサートホールやアートギャラリーのフロア。4Fと5FはNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)です。バリアフリートイレはB1、1Fと53F、54Fに配置されています。
隣接する「新国立劇場」は別の施設ですが、初台駅から車椅子で行く場合は、東京オペラシティの駅直結エレベーターを利用します。
各フロアのバリアフリー状況です。B1は利用しやすいグルメのフロアで、CVS、ドラッグなども入店しています。特別なバリアフリーへの配慮があるわけではありませんが、ほとんどのお店はフラット構造で車椅子での入店は可能です。
1Fと2Fは飲食店やショップがあり、ほとんどのお店は車椅子で利用できます。
B1から3Fまでをつなぐ低層階エレベーターが3系統。4Fまでが2系統。2Fが高層階行きエレベーターの起点で、高層レストランへの直行エレベーターがあります。
53Fと54Fはレストランとイベントスペースが営業しています。車椅子不可のお店はありませんが、一部のお店の窓際席は眺望を楽しむように固定的なシートになっています。お店と相談して、席を選んでください。
NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)は、科学技術と芸術文化の融合ミュージアムです。4Fが受付、5Fがメインの展示フロアで、ICC内専用のエレベーターで上下階移動できます。バリアフリートイレは5F にあります。全館ほぼ段差のないバリアフリー構造です。
オペラシティの構造的な問題で、ICCに向かうエレベーターは2系統です。フロアマップなどをみて、確認して利用してください。
企画展によりますが、有料展の観覧料は障がい者減免制度があります。また企画展がない時期は閉館するので、利用案内とスケジュールをチェックして観覧してください。
なおNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)のバリアフリー情報は、別稿「東京オペラシティ ICC 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」もご参照ください。
他に文化施設はB1に「リサイタルホール」、3Fに「コンサートホール」「近江楽堂」「アートギャラリー」。いずれも基本的には車椅子で利用可能です。
展覧会によりますが、東京オペラシティアートギャラリーの有料展は観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。ギャラリー内にエレベーターとバリアフリートイレがあります。
東京オペラシティアートギャラリーのバリアフリー情報は、別稿「東京オペラシティ アートギャラリー 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を参照してください。
電車でも車でも、車椅子でアクセス可能です。バリアフリー改修により、東京オペラシティは車椅子で利用できる施設になっています。
(本稿は2022年8月に加筆しました)