世界に誇る日本一のツツジ名園、群馬県館林市「つつじが岡公園」の「つつじまつり」。現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利。もっとも正面入口に近い無料駐車場が、身障者専用になります。広い駐車区画を20台以上用意。路面は整備された舗装面です。
身障者専用駐車場入口に立つ誘導スタッフに車椅子利用の旨を申告してください。専用駐車場内へ誘導していただけます。
車椅子利用者にとって、この駐車場はとても便利です。ただし開花ピーク時の週末は、周辺道路からの渋滞、無料駐車場の満車が発生します。車椅子利用者は、混雑ピークを少しずらした利用ができると、とても快適です。
駐車場から正面券売所までは舗装路ですが、路面は経年劣化による小さなデコボコが多々あります。それでも慎重に進めば車椅子での移動は可能です。
「つつじまつり」期間の有料エリア内に入っても、舗装路面の状況は同じく経年劣化が進んでいます。小さなデコボコに車椅子が引っかからないように、慎重に進むようにしてください。
「つつじまつり」の入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。正面券売所に行き、障害者手帳等を提示して無料入園券を受け取ります。そして入園ゲートで入園券を提示して有料エリアに入ります。
園内は貸し出し用の車椅子が用意されています。
園内のツツジの名所は3つに分かれます。
旧公園と呼ばれる国指定名勝「躑躅ヶ岡」、通称「花山」は、江戸時代から続くツツジの山。昭和9年に国から名勝に指定されました。
公園の東側に細長く広がるツツジ山が「新公園」。その名の通り、近年整備して造られたツツジ山です。
城沼よりにあるのは平成つつじ園。様々な品種が育つ見本園です。それぞれのバリアフリー状況を詳しく紹介します。
旧公園のバリアフリー状況です。江戸時代からあるツツジ山ですが、入口と出口にスロープが整備されて、少し頑張れば車椅子での散策は可能です。正面券売所から直進して、その正面にあるスロープ路が旧公園「躑躅ヶ岡」内への入口です。
ツツジ山内の散策路は、傾斜角度はそれほど急ではありません。ただ路面は概ね舗装されていますが、経年劣化などで場所によってはかなりひどいデコボコがあります。
旧公園「躑躅ヶ岡」内の散策路は、正面からみて概ね右回りです。メイン通路はデコボコさえ我慢できれば車椅子で通行可能。いくつかある横道は、傾斜やデコボコで車椅子では通行が困難です。車椅子でのツツジ鑑賞はメイン通路から外れないように進みます。最後の出口へのスロープは、少し傾斜が強くなります。車椅子では慎重に移動してください。
早咲きから遅咲きまで、旧公園「躑躅ヶ岡」内では「つつじまつり」期間中、様々な品種のツツジを楽しむことができます。また高台からは、城沼方面の景観を楽しむことができます。
新公園のバリアフリー状況です。新公園のツツジ山内部の散策路は、傾斜、段差、通路幅などの問題により、車椅子での通行は不能です。車椅子からは公園の通路から、新公園のツツジ山を見上げる鑑賞になります。
新公園の横には「宇宙ツツジコーナー」があります。ここは園内通路と同じ高さ。車椅子で近くから「宇宙ツツジ」を鑑賞することができます。宇宙飛行士向井千秋氏が宇宙に持っていった種から育ったツツジです。今や立派なツツジに成長しています。
見本園のバリアフリー状況です。見本園は「花山日本庭園池」に隣接したエリアにあります。見本園の周囲を巡る広い散策路はバリアフリーで車椅子での通行は可能です。そこからでも見本園のツツジを鑑賞することが出来ます。
見本園の中を巡る狭い道は「花山日本庭園池」を巡る道でもあります。この道は未舗装路に一部ゴムマットを敷いた箇所がある程度。車椅子での散策は苦労するデコボコがあります。また「花山日本庭園池」を渡る石橋は、車椅子では通行が危険な狭い幅になる箇所があります。
バリアフリーな通路を選べばある程度の散策は可能ですが、段差路もあるので路を選んでください。
「つつじが岡公園」内には複数の公衆トイレがあり、バリアフリートイレが用意されています。
また無料エリアにある「つつじが岡ふれあいセンター」内にも、バリアフリートイレがあります。無料エリアから有料エリアへの再入園は可能です。
「つつじが岡ふれあいセンター」には、喫茶やフードコートがあります。フラットな構造なので車椅子での利用は可能です。
正面券売所周辺には、古くからある飲食店、お土産店が複数建ち並びます。いずれも今どきのバリアフリー店舗ではありませんが、間口が広く、店内には大きな段差がなく、店内通路幅に余裕がある店が多く、多くの店舗は車椅子で利用できます。古い造りの飲食店も、その気になれば車椅子で利用可能なお店があります。
群馬県館林市「つつじが岡公園」の「つつじまつり」は、広々した身障者専用駐車場があり、入園料の障がい者減免制度があり、旧公園「躑躅ヶ岡」内は車椅子で散策が可能です。バリアフリートイレは複数用意があり、車椅子で多くのショップが利用できます。
(本稿は2023年4月に加筆しました)