デコボコがない、車椅子にも優しい視覚障がい者用誘導ソフトマット

視覚障がい者用誘導ソフトマット

点字ブロックの上を車椅子で通行すると、小さな衝撃があります。この問題を回避できる、ゴム製の誘導ソフトマットが開発され、複数のメーカーから製品として発売されています。

ソフトマットの多くは、幅が30cm程度、端の厚さは1mm程度、中央部が7mm程度の薄いカマボコ状の構造です。表面に凹凸はありません。

視覚障がい者によると、杖をつくと音の違いで、また足に感じる触感の違いで、マットの存在がわかるそうです。

視覚障がい者用誘導ソフトマット

点字ブロックのデコボコで、高齢者やハイヒールによる転倒事故があるそうです。もちろんデコボコの解消で、ベビーカーにも優しい誘導マットです。

フラットな屋内施設の床であれば、両面テープなどで簡単に設置できます。必要な時だけ設置することも可能です。

またいくつかの製品では、ピクトグラムなどの印刷が可能で、案内板を兼ねる利用ができます。コロナ対策で、ソーシャルディスタンスの位置を示すために利用されるケースもあります。

横断歩道の手前やホームの端など、屋外では危険性を強くアピールするために、デコボコが必要な箇所はあります。また施行方法や耐久性の面からも、現在のソフトマット製品は屋内向けで、屋外での使用は想定されていません。

車椅子利用者にも優しい、視覚障がい者用のデコボコがない誘導ソフトマット。多くの障がい者が利用する屋内施設には、積極的な導入をお薦めします。

(本稿は2020年11月に執筆しました)

別稿で「経済産業省が馬乗り型電動車椅子のJIS規格を制定」を掲載しています。ご参照ください。