栃木県日光市の「日光駅」は、JRと東武鉄道の2つの駅舎があり、その周辺は土産屋などで賑わっています。車椅子からみた日光駅周辺のバリアフリー状況を紹介します。
○JR日光駅のバリアフリー状況
大正元年に完成した洋館が駅舎です。改札口から続く1Fフロアはフラット構造で、車椅子で問題なく利用できます。エントランスの天井には「鳴龍」が描かれ、真下から車椅子で手を打つことができます。
2Fが有名な「ホワイトルーム」。昔の一等旅客専用特別待合室で、当時のシャンデリアが保存され点灯しています。
無料で観覧できる大正時代の特別室です。
ただし2Fへは階段のみで、エレベーターはありません。
車椅子では少し離れた場所から、駅舎全体の景観と2F室内に輝くシャンデリアを眺めることになります。
1F「みどりの窓口」は、日光の観光情報コーナーにもなっています。
武者兜や小杉放菴の作品の展示があります。
JR日光駅舎内には大きな物販店はありません。駅舎の横にトイレ棟があり、綺麗なバリアフリートイレが1つ用意されています。
○東武日光駅と駅前のバリアフリー状況
各ホームから改札までスロープルートが確保されています。バリアフリートイレは改札外のパブリックスペースに1つ用意されています。駅舎は大きな三角屋根が特徴です。
東武日光駅前は土産屋などが並ぶ商業ゾーンです。
路面からそのまま利用出来る店舗が多く、車椅子で利用できる店が何軒もあります。
揚げまんじゅうなど、その場でいただくテイクアウト店もあります。
○車で駅前にアクセスした場合の駐車場の状況
駅の周辺には民間有料駐車場が複数あります。今回の取材で調査した限りでは、身障者用駐車区画がある駐車場は発見できませんでした。
JR日光駅に近い「市営JR日光駅前駐車場」は、30分以内の駐車は無料です。市営駐車場は駐車料金の障がい者減免制度はありません。
○日光街道のバリアフリー状況
東照宮方面に向かう日光街道、国道119号線は、現在バリアフリー改修工事が進んでいます。今回取材した時点では、商店が並ぶ日光駅付近から神橋までの区間の約半分は、歩道が広がりかつフラットに整備され、車椅子で通行しやすいバリアフリー歩道になっています。
日光駅周辺は、車椅子での日光観光コースにお薦め出来ます。日光街道のバリアフリー化が進めば、もっと利用しやすくなるはずです。
日光市にあるバリアフリーな観光ショップ「名水の郷日光おかき工房」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2019年9月に執筆しました)