飛鳥 奈良県立万葉文化館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

万葉文化館バリアフリー情報

万葉のふるさと奈良県明日香村飛鳥にある「奈良県立万葉文化館」は、車椅子利用者にとって素晴らしいバリアフリー施設です。万葉文化館は2001年の開館ですが、当時としては10年先をいくバリアフリー設計で、車椅子からみると2010年代の施設に見えます。

駐車場は無料で一般展示室及び万葉庭園などの利用も無料です。有料の日本画展示室は障がい者と介助者1名は無料。その時々の企画展は有料ですが、障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料になることが多いようです。車椅子で飛鳥に来たら、奈良県立万葉文化館は是非立ち寄って下さい。

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アクセスは車が便利。周辺道路の一部はやや狭く、飛鳥を観光する歩行者に注意が必要です。

駐車場には身障者用駐車区画があります。そこから館内まではゆるい上り坂で50mほどです。この間屋根は無いので雨の日は濡れます。

エントランスから素晴らしいバリアフリー設計です。フロア間移動は、健常者はエスカレーターですが、車椅子利用者はエレベーターを利用します。館内には3カ所トイレがあり、それぞれにバリアフリートイレが用意されています。

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B1には無料入場できる一般展示室があります。飛鳥時代、万葉の時代の人々の生活を再現した民俗資料館的な展示があります。とてもセンスがよく、車椅子で見学しやすい展示です。

「万葉劇場」というシアタールームがあり、10分から15分程度のオリジナル作品が30分毎に放映されていました。今回取材時の歌劇作品は「額田王」と「柿本人麻呂」でした。

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1Fには「万葉図書情報室」「カフェ」「ミュージアムショップ」などがあります。

「ミュージアムショップ」は広くて通路幅に余裕のあるお店で、よほどの混雑でなければ、車椅子での店内移動に大きな問題はありません。

施設には中庭的な空間があり、遺跡が発掘調査時の状態に復元され展示されています。ここは「飛鳥池工房遺跡」。飛鳥時代に様々な手工業が行われた遺跡です。ここで発見された「富本銭」は7世紀に鋳造されたもので、「和銅開珎」よりも20年早い貨幣。日本史が書き換えられた遺跡です。

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中庭半地下部にあるこの遺跡復元部には、ロングスロープが用意され、車椅子で近付くことができます。万葉文化館は、細部にわたりバリアフリーが徹底しています。

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万葉文化館のお庭は「万葉庭園」です。万葉集にうたわれた植物を植栽、四季折々のお花が楽しめます。また万葉庭園の一部は「飛鳥池工房遺跡」を復元した施設となっています。

万葉庭園は、一部段差路や、車椅子で立ち入りにくいオフロード箇所がありますが、フラットルートに迂回して、そこからお庭を眺めるだけでも十分に楽しめます。

万葉文化館バリアフリー情報

上質で快適なバリアフリー空間にハイレベルな展示。「奈良県立万葉文化館」は、車椅子利用者にお薦めできる施設です。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

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