内閣府防災担当がまとめた2016年4月版「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」では、災害が発生した直後は、障がいのある人も最寄りの指定避難所に避難し、そこで支援が必要な人を把握した上で福祉避難所が開設され、要支援者が移送される手順が示されています。
このガイドラインに対して、重度の障がい者、特に知的、コミュニケーション面で重い障がいがある人の家族からは、たとえ一晩でも、一般の避難所で過ごすことが困難であることが主張されてきました。
2021年4月16日に「災害対策基本法等の一部を改正する法律案」が衆議院で可決され、同年5月10日に公布されました。
この法改正で、災害時の個別避難計画の作成が、市町村の努力義務になりました。あわせて内閣府のガイドラインも、要支援者の障がいの状況に応じて、福祉避難所に直接避難する個別避難計画を作成する内容へと、近日中に改定される予定です。
福祉避難所の準備と、障がいのある人の個別避難計画は、各地域の市町村が推進主体になります。すでに全国各地で、福祉避難所に直接避難する個別避難計画を作成する動きがあることが報道されています。
重度の障がいのある人とその家族は、災害発生時に一般避難所への非難が困難であることが想定できる場合、早急に最善の避難が可能な個別避難計画を、市町村と検討してください。
《生きるちから舎ニュース 2021年5月27日付》