茨城県常陸大宮市の舟生にある「紙のさと」は、車椅子で利用できる「西ノ内紙」のお店です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
最初に西ノ内紙の歴史と特徴を紹介します。「西ノ内紙」の特徴は、紙が厚く、丈夫で強いこと。水に濡らして引っ張っても破れない、と言われています。久慈川沿いに「西ノ内」という地区があり、江戸時代にこの地区の農家が、冬場の仕事として紙づくりを行い、水戸藩に納めていました。
その和紙の高性能ぶりに目をつけた水戸光圀が「西ノ内紙」と命名し、水戸藩の専売商品として江戸で販売し、水戸藩の収入源になったということ。当時は、ちょうちん、から傘、大福帳など、幅広い商品に加工され、「西ノ内紙」が江戸中に広まったそうです。光圀公の「大日本史」の編纂にも「西ノ内紙」が使われました。大正15年までは、全国で選挙投票用紙として使用されていたそうです。
「紙のさと」の概要です。伝統ある「西ノ内紙」を、昔ながらの手作り工法で製造し、加工販売しているのが「紙のさと」です。
店内にはベテランスタッフが数名いて、工房で加工品を製造しています。多種多様な商品を見て、製造現場を見る。見ているだけで楽しい店内です。
買い物をする場合は、和紙の製造作業をしているスタッフに声をかけて下さい。すぐに対応していただけました。
「紙のさと」のバリアフリー状況です。アクセスは車が便利です。店舗前のフリースペースが駐車場です。軒先に車を停めれば、雨の日でもほとんど濡れずに店内に入ることができます。
店舗の出入口は手動ドアでフラット構造です。店内はフラットで通路は車椅子で通行できる幅があります。店内のほぼ全域を車椅子で移動することができます。
店内のトイレには、やや設備は老朽化していますが、バリアフリートイレがあります。
西ノ内紙「紙のさと」は、一見古い店舗に見えますが車椅子で利用できます。出入口はフラットで、店内にバリアフリートイレがある、バリアフリーな和紙のお店です。
常陸大宮市のバリアフリー施設「道の駅常陸大宮かわプラザ」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2016年7月の取材に基づいています)