茨城県水戸市。梅園で名高い偕楽園の「東西梅林」や「好文亭」がある「本園」エリアのバリアフリー状況を紹介します。
天保13年に創設された日本三名園のひとつ。当然バリアフリー仕様ではありません。
偕楽園の本園エリアには舗装路はありません。全て平坦な薄い砂利路面や未舗装の傾斜路、段差のある路です。
桜山第二駐車場を利用してエレベーター利用で「梅桜橋」経由で入園すると、本園エリアへ向かうには未舗装の傾斜路を通ることになります。ただし梅まつり期間中は、中門付近の難所に仮設スロープが設置されます。
本園エリアを平坦な薄い砂利路面だけで通るには「好文亭表門」または「御成門」から入園するのが便利です。
車でアクセスして「好文亭表門」または「御成門」から入園する場合は、身障者専用の「好文亭表門駐車場」の利用が便利です。
ここから「好文亭表門」または「御成門」までは舗装路を通り移動できます。
偕楽園のHPには本園内のバリアフリールートが掲載されていますが、薄い砂利路面なので、車椅子での移動は快適ではありません。自力走行が出来るのは体力のある人に限られます。基本的には元気な介助者と同行することをお薦めします。
有料施設「好文亭」の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。しかし段差路を上り、さらに館内は段差だらけなので、車椅子での見学は出来ません。
東門の近くにある休憩所兼売店の「見晴亭」はバリアフリー設計です。車椅子で利用できます。
バリアフリートイレの状況です。本園エリアには4か所の公衆トイレがあり、すべてバリアフリートイレが併設されています。
その中でウォシュレット付きでオストメイト設備もあるトイレは、今回取材時では東門の近く「見晴亭」の横にあるトイレです。
偕楽園の展望台である「仙奕台(せんえきだい)」は、なんとか車椅子で行くことが出来ます。東門から砂利路を進み、少々の傾斜を上れば仙奕台に着きます。車椅子から千波湖を見下ろす眺望が楽しめます。
東門に隣接して建つ「常盤神社」の参道へは、車椅子で行くことが出来ます。通常ルートは段差路ですが、スロープルートが用意されています。
参道の真ん中に「茅の輪」があります。輪に簡易スロープが設置されていますが、今回取材時に車椅子で挑戦したところ、通行は出来ませんでした。その場合は輪を回避して、舗装された参道の横の深い砂利路面を通ります。常盤神社の拝殿は段差の上です。
「義烈館」へ向かうには、車椅子では通行できない深い砂利路面を通ります。
偕楽園の東西梅林周辺は、車椅子での散策がギリギリで可能な状況です。
複合文化施設「茨城県立歴史館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年6月の取材に基づいています)