静岡県富士市にある観覧無料の施設です。1981年に「富士市立博物館」として開館。そして2016年に、「かぐや姫が富士山に帰り、最後に富士山の祭神になる」という地元に伝わる独特な竹取物語をモチーフにした博物館にリニューアルされました。「富士山かぐや姫ミュージアム」の館内はバリアフリー仕様です。しかし施設の周辺はアップダウンがある地形です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
駐車場の状況です。徒歩圏に駅はありません。アクセスは車が便利です。
富士山かぐや姫ミュージアムは、「広見公園」内の「ふるさと村歴史ゾーン」にあります。広見公園の駐車場とは別に、ミュージアム来館者用の無料駐車場が用意されています。一般来館者用の駐車場はP1。P1からは少々の坂を上がりミュージアムのエントランスに向かいます。身障者用駐車スペースとして案内されているのはP2。大型車用の駐車場も兼ねる「実習室」の前のスペースです。
P2からは少々の下り坂を通行してエントランスに向かいます。
車椅子用に路面のデコボコが解消されている通路が整備されていますが、部分的に小さなデコボコがある傾斜路を通過します。車椅子では慎重に移動してください。
デコボコ解消路面は途中で終わります。エントランス前は小さなデコボコがある路面です。建物出入口のドアは、幅の広い自動ドア。ここがミュージアム1Fの入口です。
館内のバリアフリー状況です。ミュージアム館内は車椅子やベビーカーで安心して利用できるバリアフリー仕様です。1Fは事務室やライブラリーなどで、展示室は2F。1Fと2Fをつなぐ、かごのサイズに余裕がある大型エレベーターが1基あります。
バリアフリートイレは2Fに1つ用意されています。スペースに余裕があるフル装備の綺麗なトイレです。ユニバーサルベッドはありません。
2Fには大小6つの展示室があり、内4室が常設展の会場です。展示室間は竹をイメージした内装で飾られた通路を移動します。いずれの展示室もフラットな構造で、車椅子やベビーカーでの観覧が可能です。
最も大きな展示室1は、富士市立博物館以来の、富士市の歴史民俗を紹介する展示がメイン。2016年のリニューアルなので、展示手法が現代的です。
よくできたマネキン展示などもあります。
常設展の見どころは、富士山かぐや姫伝説の紹介です。わかりやすい解説展示で、この地に伝わるかぐや姫伝説を学ぶことができます。また富士山に関する文化、民俗、信仰などに関する解説展示も楽しめます。
2F出入口からの広見公園のバリアフリー状況です。富士山かぐや姫ミュージアムは、アップダウンがある広見公園内にあります。そのためミュージアム2Fには、公園高地部への出入口があります。公園からミュージアムにアクセスする入口は2Fです。
2F出入口そのものは、バリアフリー仕様。車椅子やベビーカーでの出入りは可能です。
しかし、公園内に出るとすぐにアップダウン路が始まります。
パンフレットでは「介護者がいる場合、車椅子で通行できます」というルートが紹介されていますが、見るからに手ごわい坂道です。ミュージアム2Fから「広見公園」内の「ふるさと村歴史ゾーン」に出ると、車椅子で自走できるレベルのフラットな散策路はないと認識してください。
「富士山頂に奉納された鳥居」は、すぐ近くにあるので、車椅子で見学できます。
広見公園のふるさと村歴史ゾーンの車椅子散策は、アップダウンがきつくて苦戦しますが、「富士山かぐや姫ミュージアム」内はバリアフリーで、車椅子で観覧できます。「分館 歴史民俗資料館」は、少し離れた場所にあり、便利な駐車場はP4です。階段のみの建物なので、車椅子やベビーカーでは1Fのみの観覧になります。
富士宮市にある「静岡県富士山世界遺産センター」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年5月に執筆しました)