創建は807年。「富士浅間神社富士山東口本宮」、別称「須走浅間神社」は世界文化遺産「富士山」構成資産の1つです。住所は静岡県小山町須走。802年の富士山の噴火で被害が大きかったエリアです。その後は富士山の登山道、須走口の本宮として信仰されています。
境内はバリアフリーではありませんが、無理をすれば車椅子で参拝できないことはありません。現地の状況全般と車椅子での参拝可能ルートを紹介します。
車椅子で社殿に参拝するまでの距離が短いのは、138号線に面した「宮上駐車場」からのルートです。
駐車場は広く、公衆トイレ棟の横には身障者用駐車区画が1台分用意されています。
駐車場から鳥居をくぐり境内に入ります。鳥居の下まではほぼフラットな舗装路面です。
その先が下り坂です。傾斜角度はそれなりにありますが、元気な介助者がいれば何とか車椅子で通行できます。
この参道の周囲には「富士講講碑群」があり、富士講信仰に触れることができます。
坂道を進むと「参拝順路」の掲示があり、右側の道に誘導されます。
この道は表参道に出る道で、その通りに進むと先に段差があります。車椅子はそのまま直進してください。
この先に車椅子参拝の最大の難所があります。坂道参道から社殿の前に出る箇所に段差があり、2つの簡易スロープが置かれています。車椅子でのクリアは苦戦しました。行きの下りよりも、帰りの上りのほうが、より大変でした。力が必要です。慎重に通行して下さい。
社殿周辺の状況です。簡易スロープの難所を超えると、社殿の前に出ます。社殿前は平坦な舗装路面です。
賽銭箱は数段の上にありますが、段の手前から参拝しても違和感のない距離です。車椅子で段の手前から参拝できます。
手水舎は一段の上で、車椅子からは手が届きにくい構造ですが、介助があれば手を浄めることができるかもしれません。
表参道ルートの状況です。正規の参拝ルートである、表参道の状況を紹介します。正規ルートは段差のある神橋とその先に階段があります。
車椅子では正面から見て右側にある、急坂路を上がります。傾斜角度はとてもきつく、車椅子での登坂にはもの凄い力が必要です。ここが最大の難所です。
この先にある手水舎も、一段の上にある構造です。車椅子でのお浄めは苦戦します。
「神門」へと続く表参道の途中にも階段があります。車椅子では右側の迂回路を進みます。
迂回路の傾斜は緩く、一般的な車椅子利用者なら通行可能です。
神門の手前の狛犬は、溶岩の上で睨みをきかせています。
神門の下は段差があります。車椅子では迂回路を通り、神門はパスしてください。
神門内の社殿側は、富士山が祀られています。
神門の先の表参道は社殿まで車椅子で通行可能。「神馬舎」は車椅子で参拝可能です。
その先、社殿近くにあるお末社への道もほぼ舗装されています。車椅子でかなり近づいて参拝できます。
参道横にある「亀石」にも、車椅子でかなり近づけます。
参道にある公衆トイレにはバリアフリートイレがあります。
富士山東口本宮、須走浅間神社の車椅子参拝は、宮上駐車場からのルート、表参道ルート、どちらにも難所が1ヵ所あります。そこをクリアできれば、車椅子で参拝できます。
富士宮市に鎮座する「富士山本宮浅間大社」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年1月に執筆しました)