信州長野の湯田中温泉「旅館はくら」は、東京都障害者休養ホーム事業の宿泊施設にもなっている車椅子で利用できる温泉旅館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
先代が晩年に脳梗塞で倒れ障がいを負い、改装する際にバリアフリーな温泉にしたい、というおかみさんの強い意志で現在の姿になったということです。館内どこでも車椅子で移動ができる旅館です。バリアフリー面での長年の功績により、長野県から表彰され、シルバースターを取得しています。
1Fが食堂やお風呂、2Fと3Fが客室、4Fが住居、夏場は屋上も開放します。エレベーターがあり、各フロアの共用部にはバリアフリートイレが配置されています。
お部屋のバリアフリー状況です。3名までと5名までの、2タイプのバリアフリールームが用意されています。段差の少ないお部屋で、手すりや電動ベッドなどバリアフリー設備が導入されています。
温泉のバリアフリー状況です。檜の湯船に源泉かけ流しの温泉です。お風呂は男女用に二つあり、そのうち一つのお風呂には昇降機が設置されていて、重度障がいの方も温泉に入れます。入浴用の車椅子も用意されています。
取材時は、障がい者家族への運用サービスとして、このお風呂を1時間、家族風呂として貸切で利用させていただけました。
お食事は、バリアフリーな食事処の利用になります。取材時は、食事の時間は30分単位で客の都合に合わせていただけました。都合の良い時間に、ゆっくりと信州の味を楽しめます。
これも取材時のエピソードですが、旅館入口にリンゴがあり「ご自由にお召し上がりください」という案内。とても美味しいリンゴでした。
小さな旅館ですが、湯田中温泉「旅館はくら」は、車椅子で泊まれるバリアフリーな温泉宿です。
北信州の観光拠点「道の駅北信州やまのうち」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年7月に加筆修正しました)