障がいのある人の食事をサポートする「エジソン箸」

障がいのある人の食事をサポートする「エジソン箸」

アイディア商品のロングセラー、エジソン箸。2本の箸がつながっていて、指を通す輪がついているお箸です。元々は子どものお箸の練習用に考案されました。

それが手が麻痺した大人用に転用され、福祉機器の一つに進化しました。和食に挑戦する外人さんにも利用されています。

現在では、ものすごい種類のエジソン箸が販売されています。右手用と左手用があり、サイズが小児用から大人用まで用意されています。

指を通す輪の位置や、輪の大きさも様々で、手の大きい人用、指が太い人用などもあります。カラーバリエーションの設定があるシリーズもあります。

お蕎麦、ラーメン、お刺身など、フォークではなくお箸で食べたいもの。通常のお箸の利用が難しい障がいのある多くの人が、エジソン箸を利用しています。利き腕に麻痺がある人は、反対の手で挑戦する価値があります。

重度の脳性麻痺で重い知的障がいもある小学生で、スプーンとフォークの利用も不完全な子が、3か月ほどの練習で何とかエジソン箸を使えるようになった事例を知っています。

指をしっかり動かす機能が弱くても、グーパーが出来れば何とかなる可能性があります。人差し指が単独で動かせれば、人差し指一本だけを輪に通して、もう一本は残りの指全部で支えるような使い方でも、何とかなる可能性があります。

医療行為としてはOTの領域です。その人なりの持ち方や動かし方を編み出して、お箸での食事に挑戦します。

お値段は1000円前後ものが主流です。使用方法次第ですが、麻痺のある手で、やや強引に動かす使用を続けていると、指を通す輪が切れたり外れたりすることがよくあります。

手に合ったエジソン箸をみつけたら、数本まとめ買いをしておくことをお薦めします。

(本稿は2019年11月に執筆しました)

別稿で「手の障がい、嚥下障がいの人に役立つユニバーサルスプーン」を掲載しています。ご参照ください。