2018年11月に丸の内に誕生した「二重橋スクエア」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
再開発ビルの名称は「丸の内二重橋ビル」。商工会議所、東京會舘、賃貸オフィスなどで構成される複合ビルです。一般商業施設の名称が「二重橋スクエア」。B1から2Fまでの3フロアの一部を使った施設です。
皇居を前面に見る立地。地下鉄駅とは地下直結で、地階は丸の内パークインです。パーキングは広い乗降スペースがとれる機械式。一般的な車椅子での利用は可能です。また平置きの身障者用駐車区画の用意もあります。商工会議所、東京會舘、オフィスの利用車両と、一般利用車両のコースが厳格に分かれますので、スタッフの誘導や案内表示にしたがって利用してください。
二重橋スクエアには2系統のエレベーターがあります。一つはB1・1F・2Fを結ぶ系統。もう一つは一般地下駐車場階・B1・1Fを結ぶ系統です。車椅子で雨天に地下駐車場を利用した場合の注意点です。地下駐車場からスロープ路を経由してエレベーターへ進みます。そのエレベーターで1Fへ上がると、いったん外に出る設計です。
B1・1F・2Fの各階にバリアフリートイレの用意があります。また各階に赤ちゃん用のスペースが別に用意されています。
B1は飲食店がメインのフロア。「ダウンタウン丸の内」と名付けられました。その名の通り、比較的利用しやすい価格帯のお店が入ります。ほとんどのお店は、一般的な車椅子なら利用可能な設定。入口に段差のあるお店、カウンター席しかないお店、通路が狭く車椅子が入らないお店などは見当たりません。
1Fの店舗はビル内ではなく、丸の内仲通りに入口を構えた設計です。したがって二重橋ビル内から行く場合も、屋根のない区間を通ります。
2Fは2軒のレストラン。丸の内仲通りをみるテラス席があります。このフロアのお店は、それなりの価格帯になります。
丸の内クリスマス2018の企画として、B1にユーミン全曲聞き放題のユーミンジュークウオールが登場。期間は開業日である2018年11月8日から同年12月25日まで。ヘッドフォンで聴くイベントです。
複合ビルなので、B1・1F・2F各フロアとも、商工会議所と東京會舘が使用するスペースがあります。そのため、やや不自然な動線になる箇所があります。ビルの一部を使用した商業施設であることを理解して、利用してください。
二重橋スクエアは商業施設としては小規模ですが、全域がバリアフリー設計です。丸の内に車椅子で利用できる新しい施設が誕生しました。
(本稿は開業した2018年11月の取材に基づいています)