内房の名店 漁師料理かなや 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京湾フェリー金谷港から北へ約2㎞。千葉県富津市金谷の海沿いの高台にある人気大型グルメ店です。2棟構成の施設で、東京湾を眺望する食事処は450席。一部は座敷席ですが、約8割は車椅子で利用できる可動式のテーブル席です。

食事処隣の棟は、1Fがお土産処、2Fは日帰り温泉が営業しています。車椅子で食事ができるお店ですが、より快適に車椅子で利用するために、知っていると役立つバリアフリー情報を紹介します。

来店者用の広い駐車場が用意されています。

漁師料理かなや

身障者用駐車スペースは、食事処棟の前ではなく、お土産処棟の前に2台分設定されています。

漁師料理かなや

駐車区画の幅はあまり余裕がなく、一般駐車区画とそれほど違いません。

漁師料理かなや

食事処棟のエントランスは階段構造で、横に段差回避スロープが設置されています。このスロープは傾斜が急でカーブがあり、路面とのつなぎ目に小さな段差があります。車椅子で快適に通行できるスロープではありません。

漁師料理かなや

通常の移動ルートは、食事処棟のエントランスから入店して食事を楽しみ、その帰りに屋内連結ルートを通り、お土産処棟へ移動します。

漁師料理かなや

お土産処棟のエントランスの段差回避スロープは、車椅子で通行しやすい、なだらかで段差のないスロープです。

漁師料理かなや

バリアフリートイレはお土産処棟1Fに用意されています。食事処棟にはありません。スペースはやや狭い個室でウォームレット付便器が備えられています。

漁師料理かなや

以上のような状況です。したがって車椅子利用者は以下のルートの利用をお薦めします。

①お土産処棟前の身障者用駐車スペースを利用する

②お土産処棟のエントランスから入館する

③必要であればお土産処棟1Fのバリアフリートイレを借りる

④屋内連結ルートを逆流して食事処棟に移動する

食事処棟の1Fは一般席。2Fは浜焼きバイキング席ですが、エレベーターはなく階段の利用になります。なお現在2Fのバイキングはお休みしています。

1Fの食事処の大きな窓から内房を眺望します。窓側の席へ店内移動する場合、途中に段差がありますが、すべての段差箇所に段差解消スロープが設置されています。

漁師料理かなや

空いている席を自由に選び、注文はタブレットから行います。お茶やお水はセルフサービス、お料理は店舗スタッフが運びます。お帰りの前にタブレットで会計をタップして、テーブル番号札を会計所に持参します。現在、休日は9時から19時の営業です。

メニューは多彩。各種の魚定食、様々な天丼、お寿司、お刺身の舟盛、単品メニューも豊富です。活魚料理もあります。

漁師料理かなや

食事処棟の横の駐車場に面して、クレープやシェイクのテイクアウトショップ、お土産店、海産物店などが、長屋構造で営業しています。この長屋店舗は、土地が少し傾斜しているためか、食事処棟寄りは段差がある構造です。テイクアウトショップは10㎝以上の段差があります。

漁師料理かなや

最も奥の海産物店の出入口は、ほぼ段差解消されています。車椅子では注意して利用してください。

漁師料理かなや

漁師料理かなやは、出口から逆流して入館すると、車椅子で快適に利用できます。

別稿の金谷港の観光拠点「東京湾フェリー港 金谷ザ・フィッシュ 車椅子利用ガイド バリアフリー情報」もぜひご覧ください。

(本稿は2022年1月に執筆しました)

鋸山美術館(旧金谷美術館)車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

鋸山の麓、千葉県富津市金谷にある美術館です。東京湾フェリーが発着する金谷港に近く、館山道の富津金谷ICから車で約3分、JR浜金谷駅から徒歩5分の案内です。

2010年に「石と芸術の町」の「金谷美術館」として開館。2019年に鋸山美術館に名称変更しました。「地域の芸術文化振興に寄与する」ことが使命の美術館です。

別館は国指定有形文化財鈴木家石蔵。「鋸山資料館」として有料公開されています。観覧料の障がい者減免制度はありますが、別館は段差構造のため、車椅子での観覧は困難です。鋸山美術館はバリアフリー仕様。車椅子で観覧できる美術館です。

来館者用の無料駐車場が建物の横に用意されています。

鋸山美術館

駐車区画が不明瞭な未舗装路面で、身障者用駐車スペースは設定されていません。薄い砂利がまかれた固い路面の駐車場なので、慎重に進めば車椅子で移動できます。

鋸山美術館

駐車場の横から美術館のエントランスまで、舗装通路が整備されています。建物の外壁の一部に使用されているのは、鋸山産の房州石です。

鋸山美術館

エントランスの前庭には、下の写真のようなアートが展示されています。

鋸山美術館

エントランスの横に、お庭に通じる通路があります。路面に木材が敷かれていますが激しくデコボコがあるので、車椅子での通行は苦戦します。

鋸山美術館

お庭には下の写真のようなアートが点在しています。

鋸山美術館

美術館内に入ります。入口は自動ドアで段差はありません。今回取材時は、企画展「𠮷田堅治展」が開催されていました。

鋸山美術館

ドアから入るとすぐに受付があります。鋸山美術館は観覧料の障がい者減免制度があり、本人の観覧料が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。館内は段差のない構造です。車椅子で問題なく移動できます。

鋸山美術館

展示室の手前に、バリアフリートイレがあります。ドアは引き戸です。

鋸山美術館

個室内のスペースはあまり余裕がありませんが、車椅子は入ります。ウォシュレット付き便器とおむつ交換台があるトイレです。

鋸山美術館

展示室の手前に中庭に面する休憩室があります。ここもフラットな空間です。

鋸山美術館

展示室は3室あり、通路でつながります。通路は椅子や展示ケースが置かれていても、車椅子で移動できる幅があります。

鋸山美術館

通路の照明は光がデザインされています。

鋸山美術館

展示室内の状況です。今回は壁面を利用した展示がほとんどで、問題なく車椅子から鑑賞できました。上質なアートスペースです。

鋸山美術館

吉田氏のテーマは黒。「無機的で深い闇」と評される黒です。

鋸山美術館

やがて色のある作品へ。

鋸山美術館

吉田氏の後半の作品は、大きな画面が特徴。

鋸山美術館

そして金箔銀箔の世界へ。「光の画家」と称されます。

鋸山美術館

鋸山美術館

鋸山美術館は内外ともにデザインされた、上質な美術館です。別館は段差構造ですが、美術館は車椅子で観覧できます。

東京湾フェリー乗り場、金谷港はすぐ近くです。別稿で「金谷ザ・フィッシュ」を紹介していますのでご参照ください。

(本稿は2021年9月に執筆しました)

千葉県立富津公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

東京湾に突き出した砂洲、富津岬の先端は県立公園です。ジャンボプールや運動場、テニスコートなど、スポーツ施設が充実しています。車椅子で富津公園を楽しむなら、岬先端の「明治百年記念展望台」付近から、東京湾の絶景を眺めるのがお薦めです。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

アクセスは車です。千葉県立富津公園は大きな公園です。カーナビで富津公園を目的地に指定すると、公園の入口に誘導されるはずです。そこから岬の先端までは、まだ距離があります。一本道なので、迷わず真っすぐに進んでください。

先端にある展望台は「明治百年記念展望台」です。この展望台は階段しかなく、車椅子で利用できません。展望台の横を通り過ぎると、すぐに無料駐車場があります。

千葉県立富津公園

明治百年記念展望台の近くに身障者用駐車スペースがありそうな気がしますが、身障者用駐車スペースは展望台から最も遠い駐車場の奥にあります。

千葉県立富津公園

海を向いて車椅子マークの駐車区画が用意されています。この駐車区画以外の場所からは、駐車場と歩道に段差があり、車椅子で移動できません。段差解消があるのは、車椅子マークの駐車区画の横です。

千葉県立富津公園

その奥に公衆トイレがあり、バリアフリートイレが1つあります。

千葉県立富津公園

段差なくフラットな舗装路を散策できるのは、駐車場の周囲だけです。車椅子マークの駐車区画から歩道に上がります。目の前は砂浜です。東京の東側から千葉の西側の湾岸を正面に臨みます。

千葉県立富津公園

そこから明治百年記念展望台へ移動すると、東京の西側から三浦半島方面が見えます。更に先には、相模湾越しの富士山が見える方向です。

千葉県立富津公園

明治百年記念展望台の目の前の島は第一海保。引き潮の時は陸続きになるそうです。ただし徒歩での島渡は禁止されています。

千葉県立富津公園

千葉県立富津公園は、車椅子で東京湾の眺望を楽しめます。視界の良い、好天の日の行楽をお薦めします。

富津の高台に建つ「東京湾観音」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年1月に執筆しました)