日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」バリアフリー情報

東京都千代田区の日比谷公園で、2020年12月10日から25日までの開催。入場は無料です。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

日比谷公園は近年バリアフリー改修が進み、一部の段差はスロープ化され、一部の未舗装路面は舗装されました。また小さなデコボコがあった一部の石畳風の園路は、フラットに舗装されています。東京クリスマスマーケット会場周辺は、車椅子で移動できるエリアです。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

ドイツのクリスマスマーケットをイメージしたイベントです。大きなタワーは「クリスマスピラミッド」です。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

噴水の周辺にドリンクやフードそして雑貨のお店が並びます。またステージではライブなどのイベントが開催されます。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

第二花壇の横には「森のテラス席」が用意されました。風よけのあるフリーテーブル席で、自由に飲食が楽しめます。細長い簡易テーブルとベンチなので、位置をずらせば車椅子で利用できます。ただし暖房器具はありません。イベント開催時間は11時から22時まで。万全の防寒対策が必要です。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

密を避けるために、会場が混雑した場合は、入場制限がかかります。整理券を受取り、時間差で入場します。今回は土曜日の13時頃に取材しましたが、入場制限がかかり、おおよそ入場まで20分待ちの状況でした。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

会場はすべて舗装路面で、段差はありません。日比谷公園の東京クリスマスマーケット2020は、車椅子で参加できるイベントです。

日比谷公園「東京クリスマスマーケット2020」

日比谷公園のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ご参照ください。 

NPO法人も改組可能 非営利法人 労働者協同組合法が成立

2020年12月4日、参議院本会議で労働者協同組合法が成立しました。これにより、福祉活動などを行う新しい形態の非営利法人が設立できるようになります。

労働者協同組合法は全137条あります。それを意訳して「労働者協同組合」の特徴に絞って紹介します。

○働く人が法人の出資者

働く人が、自ら出資して、経営を行う組織です。自分がやりたいことに、お金を出して、口を出して、手を動かします。

したがって法律では、組合員の議決権及び選挙権は、出資口数にかかわらず平等と定められています。資本の論理がない組織です。

「組合員が出資すること」が前提で、「その事業を行うに当たり組合員の意見が適切に反映されること」が必要で、「組合員が組合の行う事業に従事すること」が労働者協同組合の基本原理です。

○認可不要の届け出制

実際に行動したい人にとって、NPO法人や社会福祉法人との実務的な違いはこの点です。3人以上の発起人がいれば届け出で設立できます。

○労働者として法に保護される

資本家であり労働者でもある出資者は、労働基準法などにより労働者として法律に護られます。そのため「組合とその行う事業に従事する組合員との間で労働契約を締結すること」と定められます。

○剰余金は出資配当ではなく従事分量

事業が順調で利益がでた場合は、その利益は組合員の労働者としての働きに応じて分けられます。法的には「剰余金の配当は、組合員が組合の事業に従事した程度に応じて行うこと」とあります。つまり性格的には配当ではなく、給与としての利益の分配になります。

○NPO法人などは改組可能

「企業組合又はNPO法人は、施行後3年以内に、総会の議決により、その組織を変更し、組合になることができる」としています。ただし、詳述は避けますが組織変更した組合は、NPO法人時代の財産(組織変更時財産)の扱いについて、幾つかの義務や特別な規制があります。

○福祉分野、農林水産分野などで活用

労働者協同組合による「地域における多様な需要に応じた事業の実施」が期待されます。法的に事業分野の制約はありませんが、訪問介護、学童保育、自立支援、農産物直売所、ビルの管理や清掃など、福祉分野や農林水産分野での組合設立が期待されています。

そのことによって「持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的とする」としています。

労働者協同組合法は、公布後2年以内の「政令で定める日」から施行されます。

(生きるちから舎ニュース 2020年12月17日付)

令和3年度報酬改定案 医ケアなど重度障がい児者向けサービスを重視

2020年12月11日に開催された「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」のオンライン会議で、厚生労働省の「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について(案)」が公表されました。その中で、重度障がい児者向けサービスへの報酬を増やす方向性が示されています。その対象となる重度障がい者向けの主なサービスを紹介します。

○重度障がい者の地域移行、地域生活支援

・強度行動障害や医療的ケアなど、重度障害者支援加算の対象者を拡充する。

・日中サービス支援型の基本報酬を、現行報酬より重度者と中軽度者の報酬の差を拡大させ、重度者重視にする。

・強度行動障害支援者養成研修・行動援護従業者養成研修の修了者を配置しているグループホームについては報酬上の評価を行う。

・事業所単位で夜勤又は宿直の職員を配置し、複数の住居を巡回して入居者を支援する場合には、更なる評価を行う。

・重度障害者支援加算における強度行動障害を有する者に対する利用開始時の支援の評価を見直し算定要件を拡充する。

・生活介護における重度障害者支援加算に「重症心身障害者を支援している場合」に算定可能となる区分を創設し、人員配置体制加算と常勤看護職員等配置加算に上乗せする形で評価する。

・生活介護における常勤看護職員等配置加算に「常勤看護職員を3人以上配置」し、医療的ケアを必要とする障害者を一定数以上受け入れている場合に算定可能となる区分を創設する。

○重度障がい者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応

・医療型短期入所の対象者について、福祉型(強化)短期入所事業所では対応が困難な高度な医療的ケアが必要で強度行動障害により常時介護を必要な障害児者等を加える。

・医療型短期入所の整備促進を図る観点から、特別重度支援加算の算定要件や単価の見直しを行うとともに、経営状況等を踏まえ、基本報酬についても見直しを検討する。

・医療型短期入所で準用している療養介護においては、医療的ケアが必要で強度行動障害を有する者など障害者支援施設での受け入れが困難な者についても、利用対象者となる旨を明文化する。

・経口移行加算及び経口維持加算について、咀嚼能力等の口腔機能及び栄養状態を適切に把握しつつ、介護保険における対応状況を参考に、口から食べる楽しみを支援するための多職種による取組プロセスを評価する。

・重度訪問介護における自動車によって障害者を移送するとき、駐停車時の緊急的な支援を行った場合、その緊急性や安全管理等について報酬上の評価を行う。

・重度障害者等包括支援の対象者の要件について、調査研究等において把握された利用実態を踏まえ、対象者要件の見直しを行う。

○医療的ケア児への支援の推進

・医療的ケア児に係る判定基準を導入する。

・障害児通所支援において、判定基準のスコアの点数に応じて段階的な評価を行う「医療的ケア児」の基本報酬区分を創設する。

・看護職員加配加算、障害児入所施設の看護職員配置加算の算定要件について、医療的ケア児に関する判定基準を導入し、見直しを行う。

・放課後等デイサービスの報酬において、著しく重度および行動上の課題のあるケアニーズの高い児童への支援について評価する(仮称:要支援児加算)。

・児童発達支援センターとその他の児童発達支援事業所の基本報酬について、ケアニーズの高い障害児への支援及び専門職による支援を評価する。

・医療型障害児入所施設における加算要件において、重度重複障害児加算の要件を見直し、強度行動障害児特別支援加算について、医療型障害児入所施設においても算定可能とする。

・医療型障害児入所施設における小規模グループケアの促進を図る観点から加算要件を見直す(台所・便所の設置を不要とする)。

○重度障がい者への適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し

・医療・看護について、医療的ケアを要するなどの看護職員の手間の違いに応じて評価を行う。

・福祉型短期入所について、特に高度な医療的ケアを長時間必要とする場合の評価を設ける。

なお具体的な改定内容は「今後の予算編成過程を経て決定」されます。

《生きるちから舎ニュース 2020年12月16日付》

別稿で「障がい福祉分野の令和3年度国家予算の概要」を掲載しています。ご参照ください。