会津若松のシンボル「鶴ヶ城」は、車椅子での観光ルートは限定的ですが、障がいある人への配慮があるお城です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利、お城の周りには市の公営駐車場が3カ所あります。そして城内の天守閣近くに「3台程度駐車可」と案内される無料の身障者用駐車スペースがあります。
城内の一方通行路を進む場所で、混雑時は満車の可能性があります。また、3台駐車するととても狭い駐車スペースなので、広々した乗降スペースが必要な人は、混雑時の利用はむしろお薦めしません。
城内へ向かうバリアフリールートは、東口からだけです。その詳細はHPで解説されています。したがって3カ所ある公営駐車場の中で、車椅子利用者にお薦めなのは東口駐車場です。
市の公営駐車場は駐車料金の障がい者減免制度があります。駐車券を城内にある「観光案内所」に持参して障害者手帳等を提示してください。終日無料の駐車券が交付されます。
東口駐車場からなら、車椅子で観光案内所まで行くことが出来ます。本当にお城の観光に来た人だけを減免する、申請方法です。
東口駐車場からの車椅子での散策ルートの概要です。駐車場から横断歩道を渡り城内へ。「二の丸」内の舗装路を進みます。一部未舗装箇所がありますが、途中に砂利道を回避する木製歩道などの用意もあります。
丸みのある「廊下橋」を車椅子に力を入れて渡り「本丸」へ。その先の上り坂をクリアすれば、天守閣の下に到着します。天守閣の周りは車椅子で周回できます。
城内のバリアフリートイレの状況です。天守閣の下の観光案内所の横にあるトイレには、バリアフリートイレが設置されています。トイレに行くには、砂利路面を車椅子で走破する必要がありますが、一般的な車椅子利用者ならなんとかクリアできる砂利路面です。
他に前出の「身障者用駐車スペース」横のトイレにも、バリアフリートイレが設置されています。
有料で天守閣内に入ることが出来ますが、最初の入口から階段の段差構造です。車椅子での天守閣内の観光は出来ません。
鶴ヶ城は桜の名所です。ソメイヨシノ系の桜は寿命が70年前後、戦後に植栽された桜が、各地で寿命を迎えています。会津鶴ヶ城の桜も古木が多く行く末が心配ですが、観察すると若い木もところどころに植栽されています。計画的に桜の世代交代が進められているようです。
東口からの限定されたルートで、傾斜路や未舗装路も一部ありますが、会津若松鶴ヶ城は車椅子で散策できます。
会津盆地の真ん中にある「道の駅あいづ」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2018年4月の取材に基づいています)